私は八ヶ岳に棲みついた天涯孤独の一匹オオカミ、逢徒狼。
この界隈にひっそりと、しかししぶとく美しくあり続ける地を紹介していきたい。
八ヶ岳、霧ヶ峰、美ヶ原。
これら三つの山域は、ひとつながりの大きな山脈と言われている。
人呼んで、「大八ヶ岳」
今回は思いきって八ヶ岳から足を伸ばし、隣のシマへ行くことにした。厄介なことに巻き込まれなければ良いのだが、、、
私のアジトから車で走ること小一時間、本日の出発地点に到着だ。
注意深く辺りを見回す、
朝早いせいか、私の他には誰もいないようだ。
身の安全が確認できたので早速歩き始めるとしよう。
さあ、出発だ。
ひっそりと、そして地味な登り口じゃないか、
裏街道ばかり歩いてきた私にはうってつけのスタートだ、いいぞ。
しかし、あっという間に視界がひらけた。
うっ、美しい景色だ。こんなところを私が歩いていいのだろうか、、、
目指すは右手に見える山頂、今はガスに覆われているようだ。
歩き始めると程なく分岐が現れた。
なにやら朱色の看板があるじゃないか。
近くまで行って確認することとしよう。
そう、この道は「中央分水嶺トレイル」の一部。
長野県長和町の長門牧場から霧ヶ峰を経て美ヶ原へと続く全長38kmのトレイル。このトレイルには登り口がいくつもあり、好きなところからアクセス可能だ。
さあ、本日の目的地はもうすぐそこだ。
まだ朝の7時台、雲の向こうの太陽はなかなか顔を出してはくれない、、、
登り口から僅か30分、あっという間に本日の目的地に到着。
三峰山 1887m
私の若い頃、スーツと言えば三峰かTAKAQ、いや、そんなことはどうでもいい、山頂は360度視界が開け、晴れていればもちろん我が八ヶ岳も見渡すことができる。
今日は雲が多いがそれでもこの景色。
美しい、嗚呼、ただただ美しいのだ。
今回はここで朝のコーヒータイムと洒落込もう。
本日のコーヒー
ホンジュラス コマヤグア地区 ロス イカケス農園 セレクトマウンテン カツーラ SHB
やたら長いが、略して、選ばれし山で淹れる、選ばれし豆だ。この豆は私の焙煎師匠、ミスターDが焼いたもの。心して淹れるとしよう。
中粗挽き、18g。
こいつを200ccのお湯で落とし淹れてやる。
完成。
まだ完全に起ききれていない体の中に一気に流し込む。
嗚呼、体の中心から目覚めていくのがわかる。
三度目でも言うが山での珈琲時間は最高だ、何物にも代え難い贅沢なひととき。
師匠、美味しゅうございました。
おや、ふと振り返るとガスの向こうになにやら怪しげな赤い小屋が立っているじゃないか。
まさか、スナイパーが私を狙っているのでは?
いや、考えすぎだろう、どうやら扉峠の駐車場の建物らしい。次に来るときは、せっかくだからあそこまで足を伸ばしてみようじゃないか。
中央分水嶺トレイル、三峰山。
山歩きが苦手な貴方でも僅か30分ほどで行ける天空の楽園。
そこには素晴らしい景色が広がっている。
ぜひ一度足を運んでもらいたいものだ。
ただ、もしその時に私がそこで珈琲を淹れていたとしても、
どうかそっとしておいて欲しい。
本日のルート
三峰茶屋—三峰山山頂—三峰茶屋
本日のおまけ
下山してきてもまだ朝9時。
仕方がないから「立石公園」に寄ってみた。
そう、あの映画で有名な公園だ。
ここから眺める諏訪湖はなかなかのもの。
夜になると夜景を眺めに来る愛愛なカップルで溢れているらしい。
冗談じゃない、夜になんか来るものか。
こちらも有名になった滑り台。
一応滑っておいた。