帰国後、すこしずつ活動をスタート。
作品展示・販売の他、刺繍の講師も務める。
2018年に横浜から下諏訪へ移住
現在、地域おこし協力隊として活動しつつ、教室OPENに向け準備中。
スカルス手工芸学校は寄宿制だったのですが、週末はみんな家族と一緒に過ごします。
金曜日の授業が終わったあと、各々荷物をまとめて
「God weekend!(良い週末を!)」
「i lige made!(あなたも!)」
家族が迎えに来て、家に帰っていきます。
みんなが帰った後の学校は、とっても静か。
残っているのは、留学生や、家が遠い生徒、数名です。
そんな静かな金曜日、夕食を終えて部屋にも戻ろうとすると、
「Hahahaha~!」
いつも決まってライブラリーから笑い声が聞こえてきました。
声の聞こえる方へ行ってみると、ほろ酔い気分の仲良し4人組が、
ふかふかのソファーに深く腰を下ろし、ワイン片手に仲間との“ヒュッゲ”な時間を過ごしていました。
北極圏の国アイスランドから来たゲルドゥル、マリアンヌ、シッラ、地元デンマークのイングリーサ。
みんな50~60代ぐらいで、とっても仲良し!
「今日はおいしいワイン買ってきたの~♪」
とうれしそうにグラスにワインを注ぎます。
このくらいの年齢になっても、学校に通えて、気の合う仲間たちとおしゃべりしながら、編み物したり、刺繍したりできるのって、最高だなー!
「一緒に飲まない?」
とゲルドゥルが声をかけてくれました。
「スコール!」
デンマーク語で乾杯を意味する言葉とともに、私も一緒に“ヒュッゲ”な時間を過ごします。
「こういう時間はとっても大事!大人も子供もね!」
とニコッと笑いながら、言ってくれるゲルドゥル。
そして、編み物かけのセーターを編みながら、会話を楽しむ。本当にすてきな時間でした。
みんな若い人たち以上に元気で、いつも楽しそうでした。
良く笑い、良く食べ、良く飲む!!
もう歳だから・・・っていう概念はきっとないのだろうなー。
人生を謳歌するってこういうことなんだろうなー。
とくにアイスランドから来たゲルドゥルは、豪快で、声も大きく、よく笑う陽気な女性でした。
「歳なんて関係ないわー!haha~!」という感じで。
授業の時も
「ほら見て~♪」
と、自分で作ったミニスカートをうれしそうにモデル歩きで見せてくれたり、
部屋が私の向かいだったので、扉の向こうから大声で笑う声が聞こえてきたり
「今日は何を食べたの?」
「シャツはちゃんと洗った?」
など子供と電話で話す声も聞こえたり。
(アイスランド語はわからないので想像です・・・)
子どもが3人いて、一番下の子はまだ小学生だったので、留学しちゃって大丈夫?!と思ったけど
ご主人や子供たちみんなが、ゲルドゥルのやりたいことも応援してくれていて、行かせてくれたそうです。
この年齢になって寄宿制の学校に通うのって、珍しいし難しいのではと思ってしまうのだけど、デンマークではそんなに珍しいことではないです。
実際、50~60代の年代の生徒の数は、学校を卒業してすぐの年代の生徒に比べて少し少ないくらいでした。
デンマークで生活してみて気づいたことは、家族と過ごす時間を大切にすると同時に、自分の時間も大切にすること。
それが自然と成り立っている国だと感じました。
やはりそれは教育にもつながっていて、協調性を大切にしつつも、個人も尊重する。
それぞれの家庭の事情だったり、家族の理解だったりいろいろあると思いますが、
基本的にはそういった考え方があると思います。
こんな空間が日本にもあったらいいな~
次回へ続く。
フォークロアな雰囲気が好きで、作ったワンピース。
先に生地に刺繍をして、それに合わせてデザインを考え縫ったもの。