HOME CULTURE & LIFE COLUMN Vol.11 サオトメバナ~お田植えをしている早乙女のように美しいと言われた花~
季節ごとの八ヶ岳の日々、音、響きを感覚全開で綴ります。

今の季節、葉を落とした蔓にたくさんついている褐色の実。

どちらかというと嫌われ者の植物。

屁糞葛(ヘクソカズラ)」という、これ以上はないというくらいにかわいそうな名前です。

こんなかわいそうな名前をもつヘクソカズラですが、2つの別名があるのをご存知ですか?

一つは、「ヤイトバナ」。(写真は夏の姿)

この植物の花の中央部が、やいと(お灸)の火のように、赤色に近い濃いピンク色をしているから。

そしてもう一つの別名は「サオトメバナ」。

次々と並んで花を咲かせる様子が、一列に並んでお田植えをしているうら若き乙女のように見えたから。

「サオトメバナ」、「ヤイトバナ」という素敵な名前があるのに、なぜか今は一番かわいそうな「ヘクソカズラ」という名前で呼ばれている植物。(写真は秋の姿)

そんな呼び名の移り変わりの中に、かつては暮らしの中にあり、「薬草」だった植物たちが、いつの頃からか「雑草」と呼ばれるようになった、そんな変遷を見るような気がします。

サオトメバナは寒い今の時期に実を充実させます。近づいて見てみると、表皮は透明感を帯びていてとても美しいです。

同じ時間と場所を共有している、足元にある季節の植物は、その季節の人のからだの調子を整えてくれるように思います。

サオトメバナもそんな植物です。

小さな実を指先でつぶすと、思いのほか果汁がたくさん出てきます。

この汁が、この時期に乾燥しがちな肌を潤し、ひび、あかぎれ、しもやけに効くと言われています。

実際に肌につけてみると驚くほどすべすべになります。

身近にある季節の薬草の恵みを暮らしに取り入れるようになると、とても「ヘクソカズラ」なんてかわいそうな名前で呼べません(笑)

みなさんもぜひ、今日から「サオトメバナ」と呼んであげてください(笑)

2月以降のKigiワークショップはこちら

2/6(火)
よもぎバームづくり

秋に摘んで作っておいた手作りよもぎオイルを使って、バーム(万能軟膏)を作ります。

https://kigi.amebaownd.com/posts/3384509?categoryIds=541588

2/10(土)、2/14(水)
バレンタインギフトセットづくり

オーガニックのカカオバターを使ってリップクリームとバーム(万能軟膏)を作ります。
こだわりのお菓子と合わせてバレンタインギフトを作ります。

https://kigi.amebaownd.com/posts/3518856?categoryIds=541588

3/3(土)
「塗る漢方」紫雲膏づくりワークショップ

Kigiの人気講座。甲府の自然食品屋さん、有機村さんでの開催です。

https://kigi.amebaownd.com/posts/3591900?categoryIds=541588

4/10、17、24(火)
春の薬草講座

楽しく、そして本格的に薬草を学び、暮らしに取り入れたい方に。座学、オリジナル薬草ノート作り、家庭でできる季節の薬草お手当の全3回の講座です。
1/29にオープンしたばかりの 山野草創作フレンチレストラン あしぇっとさんにて開催。詳細は近日公開予定です。

4/29(日)、30(月)
春の土用 さそり座満月のリトリート ~魔女とすごす2日間~

伊奈谷の月よみ魔女ゆかりんとのコラボ企画。4名様限定のリトリートです。伊奈谷ゆかりん宅で開催。
詳細は近日公開予定です。

5/12(土)
発酵とナチュラルフード、ボタニカルクッキングの料理研究家

たかやま晴代さんとのコラボ企画です。薬草観察会~薬草摘み~晴代さんのお料理と、贅沢な一日になること間違いなしです。
詳細は近日公開予定です。

薬草専門家 Kigi
波多野ゆふ
足元の薬草と共に在る暮らしを提案しています。

薬草は特別なものではなくいつでも私たちの足元にあり、古来の人々は感謝と共にその恩恵に預かってきました。

その人に必要な薬草はその人の足元に生えており、同じ時間と場所を共有している薬草を暮らしの中に取り入れることは、生きていくうえで大きな安心感につながると感じています。

薬用植物園勤務、ハーブ講師を経て、現在は薬草専門家Kigiとして、薬草講座や薬草観察会、足元の薬草を使ったコスメづくりや薬草を使ったお手当のワークショップを開催しています。

私たちと変わらない命を持った植物の生き方を、なるべく詳しくお伝えすることを心がけています。
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