HOME CULTURE & LIFE COLUMN 連載5 土用と薬草茶
八ヶ岳に自生する薬草ともっと仲良くなって、共に暮らしていくための読み物です。

夏の土用ですね。

土用というと「うなぎ!」と連想しがちですが、土用にはうなぎを食べるという以外に実は深い意味があります。

日本には四立(しりゅう)という、暦の上で節目になる大事な日が年に4回あります。

立春(2/4ごろ)、立夏(5/5ごろ)、立秋(8/7ごろ)、立冬(11/7ごろ)。

立春が一番寒い時期にあったり立夏の時期はまだ春のような陽気だったりと、体感的にはその季節を分かりやすくは感じられなくても、この日を境に次の季節が立ち上がり、季節のピークに向けて満ちていきます。

そしてこの四立の前18日間が土用です。

なので、土用は年に4回あります。

土用は次の季節に入る前のインターバル。体も心も揺れ動きやすい期間です。

この土用の18日間にからだとこころを整えることで、次に来る季節の流れにうまく乗ることができます。

土用の季節は新しいスタートを切るというよりは、次の季節に向けて、前の季節から引きずっているものを整理したり、心の内側を見つめて内観をする、要らないものを外に出すということにとても向いている期間です。

今は、立秋の前の18日間にあたるので、夏の土用。暑い盛りですが、季節は確実に次の秋に向かっています。

と、前置きが長くなりましたが、ここからは薬草のお話。

夏の土用の丑の日に伝統的にされていたこと、それは薬草摘みです。

今の季節に薬効が高くなる植物はたくさんあって、それらを一年分まとめて採取するのが土用の丑の日だったのです。

そしてその後は土用干し。

土用干しと言えば梅干しを連想しますが、昔の人は梅干し以外にも、一年分まとめて採取した薬草を、一年間保管するために干していました。

前述のように土用は「外に出す」期間。

この季節に、解毒や利尿など、「外に出す」作用の強い薬草の力を借りて、次の季節をスムーズに迎えましょう。

夏の薬草茶の作り方です。

今回薬草茶に入れた薬草は、写真左から

ツユクサ

ドクダミ

ムラサキツメクサの花

クワの葉

ハスの葉

モモの葉

です。

このほかの薬草でも、毒がないかを確認をして、足元に生えているものを組み合わせてぜひ作ってみてください。

薬草茶の作り方

  1. 採取した薬草をよく洗う
  2. 薬草を乾燥させる
    ※基本的には、花や薄い葉などは風通しの良いところで陰干し、厚みのある葉や、乾きにくい構造の花、実や樹皮などは日干しです。今回は陰干しはドクダミとツユクサ、日干しはモモの葉、ハスの葉、ムラサキツメクサの花です。

    クワの葉

    ドクダミ

  3. 乾燥させた薬草を大きめにちぎる、またはハサミで大きめに切る
    ※焙じる時に細かくなってしまうので、大きめに。
  4. 切った薬草をフライパンで、弱火~中火で焙じる(乾煎りする)
  5. お好みの色になったら紙の上などにあけ、粗熱を取る。焙煎の深さはお好みで。
  6. 出来上がった薬草茶葉を急須に入れ、熱湯を注いで2~3分蒸らして飲む

薬草茶は複数の種類の薬草を入れたほうが美味しいです。

先月号の「アケビの煎じ薬」は、何か症状がある時のための飲み物ですが、こちらの「薬草茶」は、麦茶のような感覚で日常的に飲める健康茶です。

土用は土の神様が支配する期間と言われ、伝統的に土を動かさないことが望ましいとされていて、今でも家を建てるときは、基礎工事は土用の期間にはしないなどの風習が残っているそうです。

土用の期間は静かに内観し、土の上に裸足で立つなど、グラウンディングをして土の神様や大地と繋がりやすい期間です。

足元の薬草を摘んで作ったお茶を飲みながら、少しそんなことも意識してみると穏やかに過ごせるのではないでしょうか。

Kigiワークショップのお知らせ

よもぎの日@かわのいえ honohono cafe

白州のナチュラルカフェ、honohono cafeの夏企画「かわのいえ」。今年もKigiはよもぎの一日を開催します。よもぎオイル、よもぎ蒸留化粧水、よもぎフェイスクリームづくりです。単独受講も可。この日は今大注目の しぜんのおやつnagiのお菓子と、mame mura coffeeのドリンクもあります。honohocafeのほっこりランチと併せてご利用ください。

日程 2018年8月9日(木)
時間 10:00~12:00 よもぎオイルづくり
13:00~15:00 よもぎ芳香蒸留化粧水づくり
13:00~16:00 よもぎフェイスクリームづくり
場所 honohono cafe

詳しくはこちら
https://kigi.amebaownd.com/posts/4429659?categoryIds=541588

夏休み コドモマルシェ

北杜市須玉町のカフェ、仁田平マルシェにて。お子さんとお散歩している時、虫刺されやとげに刺さって怪我などしがちですが、そんな時足元の薬草でお手当が出来たら面白いと思いませんか?近隣をお散歩しながら、その場に生えている薬草を解説したり、暮らしの中の活用法などをお話しします。マルシェの時にしかお目にかかれないレアアイテムも販売予定!

日程 2018年8月18日(土)、8月19日(日)
場所 仁田平マルシェ

詳しくはこちら
https://kigi.amebaownd.com/posts/4449339?categoryIds=541588

シンギングボウルとハーブボール、発酵野草ランチの一日

長野県諏訪郡富士見町 ヒーリングサロンMarielにて。シンギングボウルヒーラー、野草と発酵「露庵」主宰、MANDALAアーティスト の明石露香さんとの初コラボ。八ヶ岳の薬草を皆さんと摘んで作ったハーブボールを温めて体に当て、心と体を調整。美味しい発酵野草ランチを頂いた後は、シンギングボウルで心と体をチューニング。深いリラクゼーションの一日となります。
※キャンセル待ちの受付となります

日程 2018年8月26日(日)
時間 11:00~15:30
場所 ヒーリングサロンMariel

詳しくはこちら
https://kigi.amebaownd.com/posts/4449439?categoryIds=541588

どくだみの日

八ヶ岳では身近に生えていて、実は私たちの暮らしに大いに役に立ってくれる実力者、どくだみの力を借りる一日です。どくだみ100%の軟膏、お茶、ティンクチャー、薬酒を作ります。

日程 2018年8月22日(水)←残席3名様、9月2日(日)
時間 10:00~14:30(途中お昼休憩含む)
場所 あしぇっと

詳しくはこちら
https://kigi.amebaownd.com/posts/4562239?categoryIds=541588

土とお日様と水と薬草のリトリート

八ヶ岳の西の麓の古民家、Yatsugatake smallhouseにて、土とお日様と水と薬草の力を借りて心と体を緩め、自然とつながった本来の自分に還る、1泊2日のリトリートを開催します。魅力的なプログラムが満載の二日間です。

日程 2018年9月8日(土)~9月9日(日)
時間 9月8日(土)13:00 スタート
9月9日(日)12:00 クローズ
場所 Yatsugatake Small House

詳しくはこちら
https://kigi.amebaownd.com/posts/4609721?categoryIds=541588

桃の葉コスメづくり

八ヶ岳の森で育った無農薬自然栽培の桃の葉を、手作り蒸留器で蒸留して芳香蒸留化粧水を作り、蒸留化粧水に良質なオイル等を混ぜ合わせてフェイスクリームを作ります。単独受講も可。

日程 2018年9月12日(水)
時間 10:00~11:30 芳香蒸留化粧水
10:00~12:30 フェイスクリーム
場所 あしぇっと

詳しくはこちら
https://kigi.amebaownd.com/posts/4562398?categoryIds=541588

プライベートレッスンについて

お庭の薬草が知りたい、いつもの散歩道の薬草が知りたい、Kigiの講座に出たいけれど予定が合わない、小さなお子さんがいらして中々外出できないなどの声にお応えします。
Kigiのプライベートレッスンについてはこちら↓
https://kigi.amebaownd.com/posts/4320956?categoryIds=541588

Kigiメールマガジン「八ヶ岳薬草暮らし~自然の恵みの穏やかな暮らし~」について

新月と満月の毎月2回発行。季節の薬草を使ったお手当方法や暮らしの中に取り入れる方法、薬草のコラムなどを綴っています。
ご登録は無料です。こちらから↓
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薬草専門家 Kigi
波多野ゆふ
足元の薬草と共に在る暮らしを提案しています。

薬草は特別なものではなくいつでも私たちの足元にあり、古来の人々は感謝と共にその恩恵に預かってきました。

その人に必要な薬草はその人の足元に生えており、同じ時間と場所を共有している薬草を暮らしの中に取り入れることは、生きていくうえで大きな安心感につながると感じています。

薬用植物園勤務、ハーブ講師を経て、現在は薬草専門家Kigiとして、薬草講座や薬草観察会、足元の薬草を使ったコスメづくりや薬草を使ったお手当のワークショップを開催しています。

私たちと変わらない命を持った植物の生き方を、なるべく詳しくお伝えすることを心がけています。
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