HOME CULTURE & LIFE COLUMN vol.1 死ぬまで生ききる!を教わったこと

藤森朋子です。
今回からは私がライフワークとして大切にしてきている『産声をあげるとき息をひきとるとき』のテーマでコラムを書かせていただきます。テーマ重いですか?(笑)だけどね、ちょっと読んでみてください!

今この瞬間のいのち生きるを感じること

私がみんなと感じあいたいのは、今です。

産み方、死に方というノウハウのことではありません。産声をあげるとき息をひきとるときのその瞬間を言っているわけでもありません。

みんな生まれてきて、みんな死んでいく・・・それはどんなに時代が変わっても変わらないこと。死ぬ瞬間までどう生きるかは、選べるけれど、どんなふうに死んでいくかは選べない。事故や急病で、突然の場合もあるし、病になってゆっくりかもしれない・・・だけど、今この瞬間生きている。ということは感じていける。肉親や患者さんの生ききる姿を見て感じてきました。

この命が終わる時は、いつかもわからない、お腹の中で生まれる前も、産まれてすぐの赤ちゃんも、子どもも、若い方も旅立つことはある。だけど今、この瞬間はみんなにあること・・・。
今は色々な授かり方、産まれ方、生き方、病との向き合い方、死に方、看取り方・・・家族、社会、医療も変化してきています。

だけど、時代が変わっても、私たち人間に備わるこの命の力。生きる力、生まれる力、旅立つ力、その瞬間の命の輝きも今この瞬間の輝きも変わらない。生と死を感じることで、今を大切に、自分、そして、出逢う目の前の人との時間を慈しみ愛しんでいけるのではないかな?と思っています。

このコラムを読んでいただく時間もともにいのちを見つめる時間になればいいなと思っています。

いのちのバトン

私自身の初めて死を間近にしたのは、9歳の時の横浜の曾祖母の死でした。自宅の畳の上で、お昼寝のように亡くなりました。ああ、おばあちゃん冷たくなってしまった・・・。大好物の梅干しとお手紙を棺に入れて祈りました。

その後、看護学生時代に祖父がガンになりました。まだ18歳の私を祖母、両親が、がん告知、余命宣告をするか?しないか?の家族会議に関わらせてくれました。祖父に告知をしたあと、ショックは受けましたが、祖父はこんな色紙を祖母に書かせ掲げて、入退院を繰り返しながら、自分で自然療法を学び実践し、趣味の墨絵や絵や海釣り、旅行・・今できる精一杯をしていました。

入院先からは看護学生の私に、いつも病人はこんなことを感じているよ。とか、こういうことがうれしかったよ。やツライよ・・と、病院生活を手紙につづり、旅行先からは絵葉書が届きました。遺してくれた自然療法の本は私の本棚にあります。

当時60代の祖父の精一杯の孫へのバトンとなり、そのおかげで、病院勤務してからは患者さんやご家族としっかりと向き合い、看取りをさせていただくことができました。そして祖父は余命宣告より5年ほど長く生ききりました。

最期の入院時には、娘息子家族全員あてに手紙を書き、今でいうエンディングノートのように、全ての事務手続きと遺品の整理の仕方、形見分けのこと、みんなへありがとうの言葉と、残す祖母のことをよろしくお願いします・・・と書かれていました。

桜舞う季節に、葬儀後に、親戚大人9人孫9人で読み上げ、さみしさとあたたかさが入り混じった涙が止まらなかったです。これが私の生と死を見つめる原点です。あなたにもそのような経験が微かにイヤ、ずっしりと思い出せるものがあるんじゃないでしょうか?

トークセッション産声をあげるとき息をひきとるとき

看護師として病院勤務し、今は違う立場で、様々ないのちがうまれるとき、息をひきとるときに寄り添わせていただいてきた中で、そこに向かうご本人とご家族に、過去、未来の想いや感情が渦巻き、葛藤と浄化が一気に噴出し、ぶつかりあったりしながら、結びつきを深めていくのを目の当たりにし、そしていのちの生まれる力、旅立つ力について感じてきました。

その後も藤森の祖父母の看取りやココカラめぐり最終回に書いた通り妹の死を経験し、自分のいのち、生き方を考え、自分の本当にしたいことをしていこうと、看護師を退職しました。

そして、2005年夏、今を豊かにするために・・・生と死を見つめていきたい。医療はどこまで命に関与していくのか?いのちの始まりと終わりに寄り添う先生方はどんな風に捉えていらっしゃるのか?と、畳の上でお産をする吉村正医師と在宅ホスピスをする内藤いづみ医師、バースコーディネータ―大葉ナナコさんを松本のあがたの森にお招きして講演と対談をしていただきました。   

あ、文字数が来てしまいました。来月につづく。。。

●人として女性として凛と咲き美しく枯れるための身体感覚講座

身体感覚研究家 松田恵美子先生
主催 藤森朋子 須藤陽子
2018年5月15日(火) 9時30分~15時30分 

詳細は…
https://www.facebook.com/events/1831157413614011/

頭蓋仙骨療法、アロマセラピスト、ベビーマッサージアドバイザー、看護師
藤森朋子
様々な自然療法にて茅野市の自宅「Natural care house Sincerely」でオリジナルの施術、教室開催や講師を招いての講座の企画運営。 行政、地域、企業、医療業界などへ、母子保健事業のマタニティ、ベビ-マッサージクラスや、企業へのメンタルヘルスなど、赤ちゃんこども妊娠出産産後、働き盛り、高齢者まで全世代向けに病気になる前に家庭で対策をとれるようにアロマテラピーやセルフケア方法、心と身体のつながりを伝えている。その他「産声をあげるとき息をひきとるとき」をテーマに、生きることをともに感じ、考え、育んでいく講演会、地域活動、お話し会を仲間と開催している。
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