HOME CULTURE & LIFE COLUMN 連載9 季節の薬草ハーブボール
八ヶ岳に自生する薬草ともっと仲良くなって、共に暮らしていくための読み物です。

ハーブボールをご存知ですか?

元々はインドの古典医学であるアーユルヴェーダで使われているキリというものがもとになっていますが、現在は主にタイで使われています。

数種類の薬草を布に包み、温かく蒸しあげたものを体に押し当てることで心と体を調整していく自然療法です。

私たちの足元には素晴らしい草がたくさん生えているので、そんな草たちを使って作るととてもよいと思います。

同じ季節に生きる足元の薬草は、その季節特有の人の心と体を整えてくれます。

材料

  • 30センチ四方の布
    ※綿や麻などの自然素材をお勧めします。米ぬかを入れるのである程度目が詰まっている布がよいです。
  • タコ糸 90cmくらい
  • 米ぬか 30g
  • お好きな草(毒草でないもの) 適量

用意するもの

  • 蒸し器
  • フェイスタオル

作り方

  1. 好きな草を摘む
  2. 草を手でちぎって布の中央に置く(かなりモリモリになっても大丈夫です)
  3. 米ぬかを②の上に置いて、米ぬかとちぎった草を手で混ぜる
  4. ③をテルテル坊主を作る要領で形を整え、タコ糸で2周巻いて固結びする。この時、タコ糸の端を10cmくらい残しておく。
  5. ④のヒラヒラしている布の部分を適当に内側に折り込んでまとめる。
  6. タコ糸の長いほうの端を④の一番上まで持って行ってから、一番下に向かって巻下げていく。
  7. 最初に残しておいた10cmのタコ糸と⑥のタコ糸で固結びをする。

使い方

  1. 出来上がったハーブボールを水の入ったボールに浸け、少し揉むようにして中まで浸水させる。

    ※米ぬかと草の成分が出たお水はそのままお風呂に入れて入浴することをお勧めします

  2. ①を軽く絞る
  3. 蒸気の上がった蒸し器に入れて、強火で10分~15分蒸す
  4. 蒸しあがったハーブボールをフェイスタオルで包む
  5. ④を体の各部に押し当てていく。熱すぎないようにフェイスタオルの厚さで調整する。

基本的には押し当てて気持ちがいいところに当てていくのが良いと思います。

私がワークショップでお伝えしているやり方

  1. 足の内側のくるぶしの骨から指4本分上にある三陰交(さんいんこう 婦人科のツボ)に押し当て、そのままゆっくりと足の骨に沿って膝まで押し当てていく
  2. ひざのお皿の一番内側の上端から指3本分上にある血海(けっかい 婦人科のツボ)に押し当てる
  3. 尾てい骨の脇に押し当て、そのままゆっくりと背骨の脇に沿って肩まで押し当てていく
    ※このあたりでハーブボールの温度が下がってきたらタオルを外して
  4. こめかみ、耳に押し当てる
  5. 目の周りの骨に沿って、内側から外側に向かうような角度で押し当てる
  6. 頬骨の周りを、頬骨の中心に向かって押し当てる
  7. 顎から耳に向かうラインに沿って押し当てる
    ※このあたりでだいぶ温度が下がってくるので再び蒸し器で10分程度温める
  8. おへそから指4本分しての関元(かんげん いわゆる丹田の場所。 婦人科、情緒不安、不眠のツボ)に押し当てる

こんな流れです。

大抵の方が寝てしまいます(笑)。

ハーブボールは作る時から心地よい時間が始まっています。

まずはピンときた植物を摘んでみる。(毒草でないもの)

葉っぱでもお花でも枯れた花穂でも種でも、好きな植物、気になる植物であればなんでも良いです。

季節によってヨモギやハコベやスギナ、タンポポ、スミレなども良いと思います。

冬の間はモミの葉やヒノキなんかも良いと思います。
乾燥させておいた植物でもよいです。

植物を手で千切っていく時間は植物との交流の時間です。

手で触って感じる。千切るたびに強くなる香りに触れる。蒸している間も植物の香りがお部屋に広がります。ハーブボールを使ったセルフケアが終わるころには心も体も軽くなっていることと思います。

使い終わったハーブボールは冷蔵庫で一週間保存できます。(一週間たたなくても不快な匂いがして来たら使用を中止してください。)

その間、繰り返し水に浸して蒸してお使いいただけます。

蒸し器が家にない方は、水に浸してからラップにくるむかビニール袋に入れて電子レンジで温めてもお使いいただけます。一週間たったら最後にハーブボールをそのままお風呂に入れて入浴すると気持ちが良いです。

※正確なツボの位置については、ネットで調べていただくと画像が出てきます。
※写真の一部に櫻井文恵さん撮影のものをお借りしています。

Kigiのワークショップ

紫雲膏づくり

生薬から紫雲膏(豚脂不使用)を作ります。美しい色をしたこの軟膏は、やけどや切り傷、しもやけ、シミなどの皮膚疾患全般に効果があると言われています。美肌効果、血行促進効果もあるので、日常の肌のお手入れにも。
12/12(水)の回は料理家セトキョウコさんのおやつ付き。

日程 2018年12月8日(土)
時間 10:00~12:30
場所 あしぇっと(山梨県北杜市大泉町西井出7420)
料金 4500円
日程 2018年12月12日(水)
時間 13:00~15:30
場所 on the river(山梨県北杜市須玉町江草7848)
料金 5500円

詳しくはこちら
https://kigi.amebaownd.com/posts/5101229?categoryIds=541588

お屠蘇(おとそ)づくり

お正月に飲む日本古来の薬草酒がお屠蘇です。
お屠蘇の原料の薬草をブレンドして屠蘇散(とそさん お屠蘇の素)を作ります。ベースになる赤酒付きなので、年末にご自宅でお屠蘇が作れます。来年のお正月は手作りのお屠蘇で迎えてみませんか?
あしぇっと特製エリクシール(ドイツの薬草酒)とお屠蘇を使ったフレンチランチとシェフのレシピ付き。

日程 2018年12月15日(土)
時間 10:00 開場
10:30 スタート
14:30 終了
場所 あしぇっと(山梨県北杜市大泉町西井出7420)
料金 8000円
※ランチはお肉料理が出ます。ベジタリアンの方はご相談ください。
定員 18名

詳しくはこちら
https://kigi.amebaownd.com/posts/5101277?categoryIds=541588

よもぎの一日@小布施

よもぎバームとよもぎハーブボールづくり&セルフケアの一日
Kigiのお庭のよもぎから作ったよもぎオイルと広島県の養蜂場のミツロウを使ったバーム(万能軟膏)づくりと、よもぎを使ってハーブボールを作り、からだとこころを緩めるセルフケアの時間です。

日程 2018年12月20日(木)
時間 11:00~13:00 よもぎバーム作り
14:00~16:00 よもぎハーブボールづくりとセルフケア
場所 mum leaf(長野県上高井郡小布施町六川93)
料金 よもぎバーム作り 4500円
よもぎハーブボールづくりとセルフケア 3300円
上記両講座 7300円
※上記料金のほかに、講師の交通費を、参加される方の人数で割ってご負担いただく形となります(最大でお1人あたり2000円。参加人数が確定した時点で事前に交通費をお伝えします)
※ご希望の方はお弁当のご注文が可能です(別途800円)

詳しくはこちら
https://kigi.amebaownd.com/posts/5249594?categoryIds=541588

出張講座も行っております

お気軽にお問合せください。
Mail: 08kigi@gmail.com

薬草専門家 Kigi
波多野ゆふ
足元の薬草と共に在る暮らしを提案しています。

薬草は特別なものではなくいつでも私たちの足元にあり、古来の人々は感謝と共にその恩恵に預かってきました。

その人に必要な薬草はその人の足元に生えており、同じ時間と場所を共有している薬草を暮らしの中に取り入れることは、生きていくうえで大きな安心感につながると感じています。

薬用植物園勤務、ハーブ講師を経て、現在は薬草専門家Kigiとして、薬草講座や薬草観察会、足元の薬草を使ったコスメづくりや薬草を使ったお手当のワークショップを開催しています。

私たちと変わらない命を持った植物の生き方を、なるべく詳しくお伝えすることを心がけています。
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