HOME CULTURE & LIFE COLUMN episode5「ホワイトレイニーポンド」

私は八ヶ岳に棲みついた天涯孤独の一匹オオカミ、逢徒狼。
この界隈にひっそりと、しかししぶとく美しくあり続けるスポットを紹介していきたい。

今回は「ホワイトレイニーポンド」だ。
冬の北八ヶ岳、登山者かたぎに人気なのは北横岳や縞枯山だが、それらに勝るとも劣らぬ、心洗われる場所デスティネーション、冬の間だけ現れる大雪原を紹介しよう。

今回は初めて潜入する場所、しかも冬山、滑落や道迷いの危険性が高まるので単独行は危険だ。
備えあれば憂いなし、舎弟の元場狼がんばろうを同行させることにした。

さあ、出発だ。

快晴。

裏街道育ちの私には恥ずかしいくらいの青々とした空だ。少し曇ってくれた方が落ち着くのだが、、、

しかし、今年は異様に雪が少ない、スノーシューを装着する必要もないくらいだ。
むしろアイゼンが必要だったかもしれない、、、不覚にも持ってこなかったのだ。
すまない元場、厄介なことにならなければ良いが、、、

昨シーズンの今頃

歩き始めて約10分、すると前方に青い三角屋根の建物が現れた。
この辺りのグループの小屋アジトか?

いや、「縞枯山荘」 山小屋だ。
まだ朝早いからだろうか、規制線ただのロープが張られていて中に入れないようだ。
帰りに寄らせてもらうことにしよう。

ほどなく分岐点に到着。
雨池方面へと向かう。スノーシューは未だ必要のないレベルだ。
しばらく歩くと下りが続くようになった。足を滑らせて滑落しないよう慎重に歩く。
やはり軽アイゼンがあればもっと歩きやすかっただろう、、、

元場のやつ、ここぞとばかりに文明の利器しりソリを使いやがった。

15分ほど下っただろうか、やや幅の広い林道に合流、ここを右だ。
あまり趣のない林道を歩くこと10分、いよいよ本日の目的地へと向かう最後の小道パスに入る。
ここも下りだ。慎重かつ大胆に進む。

到着。

冬の雨池

冬になると全面凍結し、雪が積もると大雪原に変貌を遂げる美しいポンド
やはり今年は雪が少ないからか、少し物悲しい表情をしているように思うのは私だけだろうか。

寝るな元場。

さて、いつもならここでコーヒーブレイクなのだが、今回はお茶をいただいた。

何故ならば、先ほどの山荘でオリジナルブレンドの珈琲をいただくと決めていたのだ。

こいつだ。
冬の山荘でいただく極上の珈琲、楽しみだ。

さあ、体が冷え切ってしまう前に山荘へと急ごう。
しかし、帰途は何箇所か急な登りがある、焦ると滑ってしまうので慎重に行くぞ。

30分ほど歩いただろうか、山荘がその姿を現した。
待ちに待ったひとときだコーヒータイム

がしかし、なんと規制線しつこいが張られたままじゃないか!

なんてことだ、事件でもあったのか!

いや、この時期平日は閉まっているらしい、、、
私の認識不足だった、残念だごめんなさい

なんだか樹々も寂しげだ。

仕方がない、今回は娑婆まちで珈琲をいただくとしよう。
そう、実は行ってみたかったまけおしみお店があるのだ。

ここだ。

昨年蓼科湖畔にリニューアルオープンした「HYTTER」、どうもバックに大物おおてがついているらしい、気をつけなくては。

!!!

ここも休みじゃないか!
今日はとことんついてないなんて日だようだ。

本日のコーヒー


cucina KIMURA
八ヶ岳の麓にあるイタリア料理の名店。
こちらで昼飯ランチをいただいた後のコーヒー、
豆が何かとか、淹れ方とか、そんなことはこの際どうでもいいじゃないか、
美味い、最高だ。

非売品のビスコッティがまた味わい深い。
なんでも、近所の鶏を飼っている方が卵をくれたときだけ焼くそうだ。
こんな日でもラッキーなことはあるものだ。

シェフ、ありがとう。

本日のルート

北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅—縞枯山荘—雨池峠—雨池峠分岐―雨池(ピストン)

逢徒 狼(あうとろう)
八ヶ岳界隈に棲みついた一匹オオカミ。裏街道こそが生きる道とうそぶくのが癖。
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