HOME CULTURE & LIFE COLUMN Vol:2 春のハーブ畑と、八ヶ岳ウェディング♪

待ちこがれた、八ヶ岳の春

こんにちは。八ヶ岳のメディカルハーブ「一心一草」の店主、杉野志歩です。みなさまいかがお過ごしでしょうか?

八ヶ岳にも、ようやく春がやってきて、新緑や野の草花が美しい季節になりましたね。「一心一草」のハーブ畑でも、日々暖かくなるお天気にハーブたちが動き出しましたよ。

真っ先に畑に黄色い花を咲かせ明るい気持ちにさせてくれたのは、「たんぽぽ」。雑草として見慣れているたんぽぽですが、実はとても優秀なデトックスのハーブなのです。

そして、鮮やかな青い花が美しい「コーンフラワー・ブルー」。エディブルフラワーとして食べたり、ハーブティーに入れたり、いろいろなシーンで活躍してくれます。

そのほかにも、-10度を超えるの冬の寒さに耐え抜いた、パワフルなハーブたちが一斉に育ち始めました。

左上から「マロウ」「キャットニップ」「ペパーミント」「ネトル」。

大地に這って頑張ったワイルドベリー、身をキュッと硬くして春を待ったルバーブ、茶色い茎の下にひっそりと時期を待ったエキナセアの新芽、それぞれの方法で冬を越し、春を迎えていました。

左上から、「アグリモニー」、「ワイルドベリー」、「ルバーブ」「エキナセア」。

こちらは、「バーベイン ・ブルー」。株元にびっしりと新芽が育っています。頑張りすぎたり、ストレスを溜めてしまいがちな方に、寄り添ってくれる頼もしいハーブですよ。

女性のためのハーブティー「Dear Madame」

「一心一草」の畑で育てたハーブは、適期に一つ一つ手で摘み、手作りでハーブティーを作っています。

植物療法の進んだ国では、一人一人の症状に合わせて処方されるメディカルハーブ。今のところ私は個々に処方をするということをしていないので、何かのご縁で「一心一草」のハーブティー手にとってくださった方が、それぞれの不調を癒しつつ、ゆったりと穏やかな時間を過ごしていただけることをイメージしてハーブを配合しています。

今日は私のお気に入りのブレンドである、「Dear Madame」を軸に、ハーブの効能や特色をお伝えしてみたいと思います。

このハーブティー「Dear Madame」は、大人の女性に向けたハーブティーとして、具体的な症状としては更年期障害にフォーカスしてブレンドしました。しかし、予想を超えて香りが優雅でリラックス効果が高いので、更年期障害の症状がなくても、繊細であるがゆえに、日々の暮らしの中で小さなストレスを抱えがちな全ての女性におすすめしたいハーブティーになりました。

ブレンドしているハーブですが、標高が高く冷涼な地域でなければ育てられない「真正ラベンダー」。リラックス効果に優れ、不安、不眠、神経過敏、緊張、神経性の動悸などに効果があるとされ、主な含有成分は、精油、フラボノイド、タンニン、クマリンなど。「一心一草」の畑のラベンダーは、甘みのあるふくよかな香りがし、あらゆる要素を包み込むような懐の深さがありつつ、ネガティブなエネルギーに左右されない、力強いエネルギーを感じます。

真正ラベンダー(2018年の様子)

お次は、「コモン・セージ」。すらっとした細長い形状が美しいセージは、スッキリとした清涼感の中にあるスパイシーな香りが魅力のハーブです。ソーセージなどの肉料理に臭い消しとして使われることが多いため、料理用ハーブとしてのイメージが強いかもしれませんが、ハーブティーにして飲むのもおすすめです。更年期のホットフラッシュや、月経不順といった女性特有の疾患や、心身疲労時や集中力の欠如や消化不良などにも良いとされており、主な含有成分は、フラボノイド、精油、フェノール酸、ジテルペン型苦味物質カルノソール、タンニンなど。「一心一草」の畑のセージからは、中性的ですっと芯の通った、それでいて繊細なエネルギーを感じます。

コモンセージ(2018年の様子)

そして、イギリスのフィンドホーンで出会ったお気に入りのハーブ、「レディスマントル」。レディのマントと名付けられたこのハーブは、マントのような丸い形をしていて、収穫期に咲かせる小さな黄色の可愛らしさはまさに女性的。古くから女性の疾患に使われた来たハーブで、過多出血、不良出血、子宮内膜症、子宮筋腫、更年期の出血以上にも効果があるとされています。主な含有成分は、タンニン、フラボノイド、苦味成分、フィトステロール、サリチル酸など。香りや味はあまりありませんが、「一心一草」の畑のレディスマントルは、葉を包み込む産毛を触っているだけで、心が癒されていくような優しいエネルギーがあり、聖母のようなハーブだと感じています。

レディスマントル(2018年の様子)

そして、まんまるのあどけない少女のような「レッドクローバー」。誰でも一度は見たことがある身近なハーブですが、とても実力のあるハーブで、腫瘍、乳癌、卵巣癌、リンパ腺の腫れなどへの効果、そして、エストロゲン様作用があるとされ、女性疾患にも効果が期待されるハーブです。主な含有成分は、フェノール配糖体、イソフラボン、Caffeic acid、サリチル酸、タンニン、クマニン、フラボノール、精油、ミネラルなど。「一心一草」の畑のレッドクローバーは、もともと畑に自生していた子たち。エネルギーは優しく、柔軟ですが、しっかりと大地に根を下ろすような、安定と力強さを感じます。

レッドクローバー(2018年の様子)

ハーブティーをブレンドする際、含有成分から効能を期待することはもちろんなのですが、実際に手に取ったり、飲んでみた時に感じる、そのハーブがもつ特有のエネルギーには感動させられることがとても多いので、このコラムでは、そのようなこともお伝えできればうれしいです。

八ヶ岳ウェディング

今月はとても素敵なハーブの使い方をしていただいたので、ご紹介しますね。

先ほどご紹介した、鮮やかな青が美しく「コーンフラワー・ブルー」。このハーブの花は主に眼精疲労の効果があると言われていますが、この花はエディブルフラワーとして食べることもできるのです。

お気に入りだったこのハーブを、八ヶ岳自然文化園のデリ&カフェ「K」で先週末に行われたウェディングパーティーのお料理に使っていただきました。

普段のお料理の上に散らすだけでも、グッとグレードアップして見えるので、おすすめですよ。

少しですが、この「コーンフラワー・ブルー」のパックをウェディングの会場となった、デリ&カフェ「K」に置かせてもらいましたので、よかったら試してみてくださいね。

「一心一草」のハーブの買えるお店・イベント

●八ヶ岳自然文化園のデリ&カフェ「K」
コラム内でご紹介した、ハーブティー「Dear Madame」と、コーンフラワーブルーを少しですが、デリ&カフェ「K」」に置かせていただきました。
https://k-haramura.com/
391-0115 長野県諏訪郡原村17217-1613

●ワンダフルベジタブル
2019年6月2日(日)
https://www.facebook.com/wonveg/
〒408-0013 山梨県北杜市高根町藏原1655

●萌木の村 第5回ナチュラルガーデンフェア
2019年6月8日(土)、6月9日(日)
https://naturalgardenfair.com
407-0301 山梨県北杜市高根町清里3545 萌木の村広場

●一心一草ホームページ
https://issin-issou.com/

 

八ヶ岳のメディカルハーブ「一心一草」 店主
Shiho Sugino
八ヶ岳の麓で農薬や化学肥料を使わずにメディカルハーブを育て、手作りのハーブティーをつくっています
カメラマンとして働く中で、自然と自然と共に生きる人々の美しさに目を奪われ、有機農家と生活者をつなぐセレクトショップ「やさい暮らし」を立ち上げる。「やさい暮らし」を運営しながら、有機農家の生き方の紹介を通し、自然とともにある生き方や暮らし方を、紹介する講義、講演、イベント、文筆活動を行う。その後、自分自身も農的な暮らしやパーマカルチャー実践するために仕事を手放し、米と年間80種類以上の野菜を作る自給自足的な生活を始める。

ご縁があって、八ヶ岳に移住し、現在は約2反の畑で農薬や化学肥料を一切使わずに、メディカルハーブを育て、手作りのハーブティーや雑貨を作っている。

【著書】
畑のある生活 朝日出版社 1,200円
やさい暮らしを始めませんか。 ポプラ社 1,680円
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