HOME CULTURE & LIFE COLUMN Vol.4 アカネ~夕暮れ時の空の色をした植物のお話し~
季節ごとの八ヶ岳の日々、音、響きを感覚全開で綴ります。

くさかんむりに西と書いて茜。

お日様が西の果てに沈む時の空の色が植物の名前になり、植物の名前がそのまま色の名前になっています。

そんな素敵な名前の植物アカネは、細長く愛らしいハート形の葉を持っています。

今の季節地面からにょきにょきと伸びて、その刺々した茎でお隣の植物に仲良く絡みついたりしています。

ハート形の葉っぱをした植物がひょろひょろと絡みついてきたらなんだか嬉しくなっちゃいますよね。

アカネと言えば茜染め。草木染の染料としてよく知られています。

根っこを掘りあげて煮出して布を染めます。

ここ八ヶ岳に生えているアカネはニホンアカネ。

根っこは橙色と朱色の間くらいの色です。

現在、染料として流通しているアカネはほとんどが西洋アカネです。

西洋アカネはニホンアカネに比べて根が太く、収量が多いのですが、色を構成する成分がニホンアカネとは異なるようです。

ですので、日本の昔の人たちが身に纏っていた茜染めの衣は、現在流通している茜染めの服と色が少し違うようです。

草木染の服を身に纏うのは、見た目の美しさはもちろんなのですが、染料になる草花のエネルギーを感じ、薬効を肌表面から吸収するという意味があります。

昔の人はそのことを感覚で知っていたのでしょうね。

生薬としてのアカネは、名前を茜草根(せんそうこん)と言います。

薬効は、止血、解毒、利尿作用です。

利尿作用を持つ植物の種類はとても多いのですが、これは排出効果、デトックスの意味合いがあります。

アカネは万葉集には13首も登場するそうです。そして、現在は都会の代表のような地、赤坂には昔はアカネが群生していたようで、古くは茜坂と呼ばれていたそうです。

古来から日本の人たちに馴染みの深いアカネ。

昔の人はアカネの刺々した茎や葉を触って何を思ったのでしょうか。

この季節、草原の中でアカネを見つけたら、ぜひその茎と葉に触ってみてください。きっとアカネが語りかけてくれますよ。

kigiワークショップのご案内

季節の薬草観察会や、薬草を使ったセルフケア、コスメづくりなどの講座を主催しています。今後の開催予定は下記のとおりです。

7/9(日)よもぎオイルづくりとハンドマッサージ ~お台所から始めるセルフケア~

アーユルヴェーダでも使われる良質なごま油で、たくさんの薬効がある摘みたての霊草、よもぎの成分を時間をかけて抽出します。

https://www.facebook.com/events/210048426168185/?acontext=%7B%22source%22%3A5%2C%22page_id_source%22%3A256271718119131%2C%22action_history%22%3A[%7B%22surface%22%3A%22page%22%2C%22mechanism%22%3A%22main_list%22%2C%22extra_data%22%3A%22%7B%5C%22page_id%5C%22%3A256271718119131%2C%5C%22tour_id%5C%22%3Anull%7D%22%7D]%2C%22has_source%22%3Atrue%7D

7/20(木)、7/22(土) 新月のバームづくり

月に影響されるからだとこころを、植物の香りで優しく整えるお手伝いをします。新月に対応した精油を三種類使います。

https://www.facebook.com/events/235794000252155/?acontext=%7B%22source%22%3A5%2C%22page_id_source%22%3A256271718119131%2C%22action_history%22%3A[%7B%22surface%22%3A%22page%22%2C%22mechanism%22%3A%22main_list%22%2C%22extra_data%22%3A%22%7B%5C%22page_id%5C%22%3A256271718119131%2C%5C%22tour_id%5C%22%3Anull%7D%22%7D]%2C%22has_source%22%3Atrue%7D

8/1(火)、8/5(土) 満月のバームづくり

月に影響されるからだとこころを、植物の香りで優しく整えるお手伝いをします。満月に対応した精油を三種類使います。

https://www.facebook.com/events/659443307585861/?acontext=%7B%22source%22%3A5%2C%22page_id_source%22%3A256271718119131%2C%22action_history%22%3A[%7B%22surface%22%3A%22page%22%2C%22mechanism%22%3A%22main_list%22%2C%22extra_data%22%3A%22%7B%5C%22page_id%5C%22%3A256271718119131%2C%5C%22tour_id%5C%22%3Anull%7D%22%7D]%2C%22has_source%22%3Atrue%7D

8/10(木)ムラサキとトウキ観察と紫雲膏づくり~お台所から始めるセルフケア~

「塗る漢方」と言われる紫雲膏づくりの講座。原料になる薬草の観察から始めます。

https://www.facebook.com/events/1501066326610509/?acontext=%7B%22source%22%3A5%2C%22page_id_source%22%3A256271718119131%2C%22action_history%22%3A[%7B%22surface%22%3A%22page%22%2C%22mechanism%22%3A%22main_list%22%2C%22extra_data%22%3A%22%7B%5C%22page_id%5C%22%3A256271718119131%2C%5C%22tour_id%5C%22%3Anull%7D%22%7D]%2C%22has_source%22%3Atrue%7D

薬草専門家 Kigi
波多野ゆふ
足元の薬草と共に在る暮らしを提案しています。

薬草は特別なものではなくいつでも私たちの足元にあり、古来の人々は感謝と共にその恩恵に預かってきました。

その人に必要な薬草はその人の足元に生えており、同じ時間と場所を共有している薬草を暮らしの中に取り入れることは、生きていくうえで大きな安心感につながると感じています。

薬用植物園勤務、ハーブ講師を経て、現在は薬草専門家Kigiとして、薬草講座や薬草観察会、足元の薬草を使ったコスメづくりや薬草を使ったお手当のワークショップを開催しています。

私たちと変わらない命を持った植物の生き方を、なるべく詳しくお伝えすることを心がけています。
Facebook