HOME CULTURE & LIFE COLUMN Vol.3「ライフワークとしての星空の映画祭」

八ヶ岳の麓、長野県 原村。
ここには夏の間だけ、
星空のもとに開館する映画館があります。

大好きなキャッチコピーで始まる「星空の映画祭」。
我らがハチモットには、この映画祭に関わっているスタッフが3人いる(まだ増える♪)。
私もその中の一人であり、今年で6年目にはいった。

映画大好き家族に育まれ…

小学校2年生のころ、我が家に初の家庭用ビデオデッキ(VHS)がやってきた。近くに映画館があったこともあり、父が無類の映画好きであったことも影響して、ビデオデッキが来てからというもの、毎週レンタルビデオ店に通うようになった。

小学生にして、すでに映画雑誌『スクリーン』、『ロードショー』のどちらかを愛読、好きな俳優にファンレターを書くことも…(返事もあり!)。

父が好きなジャンルはアクション・バイオレンス系、母の好みはロマンス・歴史・アカデミー賞系、兄の好みはSF・単館オルタナティブ系、だったので

そのすべての影響を受けた私は、ホラー映画以外のあらゆるジャンルを観ることになる。

大好きな映画は…

幼少期の印象はとても大きい。

この時代に、新作が公開されては、父と映画館に行くあるひとつの映画シリーズがあった。

『ロッキー』

不遇な環境下のなかでも、己を信じることをあきらめず、
決して敵の悪口を言わず(シリーズ全編)、
敵でさえも、味方に変えるロッキー・バルボア。

あまりにロッキーがカッコよすぎて、しばらくシルベスター・スタローンはロッキーなはずだと思い込みたく、同じく主演の「ランボー」を拒否した(いまだに観ない)。
(そしてマッチョに強い憧れを抱くようになる)

もちろん芸術的に優れていたり、ストーリーが素晴らしい映画は山のようにあり、自分にとって何がナンバーワン映画だとは決めることは出来ないが…

作品ならば、ヴィム・ベンダース監督の『ベルリン天使の詩』
監督ならば、どんなにコケにされてもM・ナイト・シャマラン
俳優ならば、いつかばったり出会えるはずのジェームズ・マカヴォイ

のように分散してしまうので、やっぱり『ロッキー』が大好きと言おう。


(シリーズ6枚組でいかがでしょう?!)

初の映画祭体験は、初の原村の夏

2011年冬のこと、移住準備のために宿泊したのは原村ピースドームと言う場所で、オーナーのつきねぇは映画祭実行委員であり、映画専門学校出身のイベンターだった。

その日の夜に、お互い映画の話しで盛り上がり、原村に星空の映画祭というイベントがあるから実行委員に入ろうよ!と誘ってもらうことになる。まだ完全に移住前に、晴れて星空の映画祭実行委員となり、ピースドームで開催されていた月1回のミーティングに参加させてもらうようになった。

厳しい冬からミーティングを重ね、上映作品決め、チラシ作成→配布、前売り券販売、会場設営とスクリーン張り…などなどたくさんのことがボランティアスタッフで進められていく。

そのほとんどが手作業で、季節の移り変わりと共に作り上げていく感覚が増していくのだ。

そうしたはじめての原村の夏体験は、私にとって「星空の映画祭」がすべてだった。

想像以上の感動!…

短い、短い原村の夏。

虫の声と、夕暮れ時。森の香りと静まっていく風。
八ヶ岳自然文化園という森の中に、巨大なスクリーン。

次第に辺りが暗くなり、何もない野外劇場が特別な空間に変容していく…。

映画祭に来たことのある人は、みな同じ印象を持つのではないだろうか?
興奮と、一体感。

映画館では人の声が邪魔になるのに、映画祭だと余計に盛り上がってしまう。
人々のため息や、笑い声、ときにすすり泣き。

それを見る私たちスタッフ。

ここには止められないほどの媚薬がある。それは想像以上の感動だった。

ライフワークとしての星空の映画祭

2012年の夏を味わって以来、ライフワークとして映画祭に関わるようになった。

その間には次女の妊娠・出産があったりしても、開催準備スタッフとして受け入れてもらったり、長女がちびっこスタッフとしてお手伝いをさせてもらったり、実にローカルな繋がりのなかで楽しませてもらっている。

年を重ねるほどに、星空の映画祭は巨大なイベントとなり、2012年に約4000人だった来場者は約7000人にまで膨らんだ。それに伴って、“維持していくために”運営方法が整えられ、マニュアル化さざるを得ないことも増えてきたが、有志のスタッフによって支えられていることに変わりはなく、奇跡的なことに思える。

野外の森の中、み~んなで映画を観る。

上映後、スクリーンの明かりが消えて、現れる世界。

標高1200mだからこそ見える満天の星空。

その中に、

ロッキーを好きになった幼い頃から映画を愛する自分を確認している。


星空の映画祭の成り立ちや、運営については、以前インタビューを受けたサイト「企画ラボ」をお読みください。
http://plnrs.me/labo/kuwadatekata/3785/

星空の映画祭2017
7月28日(金)~8月20日(日)※8/4.5は休映)
http://www.hoshizoraeiga.com/

8mot編集長
みっちゃん
2011年12月に八ヶ岳に移住。以前は医学雑誌の編集をしていたが、移住後はさまざまな繋がりから農業・翻訳・校正・手仕事・イベント企画、星空の映画祭運営委員など、多様性ある豊かな関わりを実行中。共訳に『ルーミーその友に出会う旅』、『ルーミー愛の詩』があり、八ヶ岳で朗読会を主催している。
これからの社会は信頼と仲間との連携=愛なる社会であることを想い、ハチモットで八ヶ岳の繋がりを表現した~い。
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