季節ごとの八ヶ岳の日々、音、響きを感覚全開で綴ります。
ハート形の葉を3枚並べて生えているカタバミ。
どこにでも見られる愛らしいカタバミは、この季節に種を付けます。
今の季節草刈りをしていてカタバミの実に触れると、勢いよく赤茶色の種が飛び出し、顔などにあたると痛いくらいです。
植物の名前は地方によっていろいろな呼び名があるところが面白いのですが、なんとこのカタバミ、180種類以上も呼び名があるそうです。
その中でも私の好きな呼び名はカガミグサ。
古代の女性はカタバミの葉で鏡を磨いていたそうです。
カタバミに含まれるシュウ酸が鏡の曇りを取ってくれるとか。
今のガラスの姿見と違って、銅で作られた古代の鏡は神様を祭るための道具でした。
光を反射するものは水面ぐらいしかなかった昔の時代に、お日様の光をキラキラと反射する銅鏡は、神様の分身だと考えられていました。
そんな銅鏡を磨くのに使われていたのがカタバミだったのです。
あの小さなハート形の葉で鏡を磨く時間は、古代の女性にとって神様と通じる時間だったのではないでしょうか。
また、カタバミは日本の家紋の図案に最も使われている植物のうちの一つです。(図はWikipediaより)
家紋には植物や鳥の羽などを簡略化した図案が用いられていますが、昔の人のデザインセンスの良さ、そしてその図案に込められた、自然に対する敬意と愛情の深さにとても感服します。
カタバミは前述のとおり勢いよく種を飛ばすのですが、あの小さい体で種は1メートルも飛ぶそうです。そして根も広く深く伸ばす、とても生命力の強い植物です。
昔の人はそんなカタバミの生命力の強さにあやかりたいという気持ちから、子孫繁栄を願ってカタバミを家紋にしたということです。
また、カタバミには生薬としての姿もあります。
生薬名は酢漿草(サクショウソウ)。
カタバミを煎じて飲むと、解毒、下痢止めに効果があり、生葉の搾り汁は虫刺されに効果があると言われています。
生命力が強く薬効もあり、昔の人々や神様との結びつきの強いカタバミは、今がお花の季節です。
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私たちの身の回りにはカタバミのようにひっそりと咲いているけれども実は神様や昔の人々と深い関わりがあり、また薬効もたくさんある植物がたくさんあります。
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