2017年春より、大工の夫と共に「くらしまわり」をスタートさせる。おいしく食べること、丁寧に暮らすことの面白さを提案している。不定期でお料理教室を開催予定。
こんにちは“くらしまわり”山越典子です。
今月も八ヶ岳の麓から季節の献立と、台所のお話しをお届けします。
ここ最近は春も感じられるようになり、こわばった身体も緩みはじめました。春は旅立ちの季節、フットワークがいつでも軽くいられる様に、なるべく物は持ちたくないと厳選しつつも、減るどころか増えていくのは器ばかり…。
好みのものを見つけると、あんなお料理やこんなお料理を思い浮かべて、ついついお財布の紐が緩んでしまいます。仕事にも使えるしな~と自分と納得させる頃には、もうお財布の紐はどこにも見当たりません。買って帰って手持ちの器と合わせてニヤニヤしています。
毎度おなじみ、作り置きのおかずでも、器や盛りつける量を変えればいつも新鮮な気分で味わう事ができます。
大きな器にちょこっと盛って、上品に仕上げたり。
深めの鉢に山高に盛りつけて、モリモリ食べたり。
小さな器をひとりひとりに用意して、懐石料理風にも、平らなお皿に何種類か盛り合わせてカフェの様にも。
作り置きのおかずで、日々のやりくりしている私にとって、こんな風に器は強い味方なのです。今月の献立は作り置きが美味しいおかずです。沢山作っていろいろな盛りつけでお楽しみください。
レシピ「五目豆」
材料(つくりやすい分量)
- 乾燥大豆 150g(一晩水につけてふっくら戻す)
- ごぼう 120g(大豆の大きさを目安に角切り)
- こんにゃく 1/2枚・約180g(大豆の大きさを目安に角切り)
- にんじん 1本・約180g(大豆の大きさを目安に角切り)
- ひじき 15g(水で洗っておく)
- 醤油 大さじ3~3.5
つくり方
- こんにゃくを熱した鍋に入れ、空炒りしておく
- 水で戻した大豆を土鍋に入れ、ひたひたの水を注ぎ、醤油を加えて弱火にかける(目安20分)
- ①の大豆におおよ大豆の大きさを目安に角切り)そ火が通ったらごぼうと①を加え弱火で30分ほど煮る
- ごぼうに火が通ったら、にんじんとひじきを加えて弱火で煮る。ひじきがふっくらして、にんじんが好みの固さになったら火からおろす
- ゆっくり冷まして、もう一度温める
※調味料は昔ながらの製法で作られた添加物の入っていないものを使用しています。
※醤油の濃さはお好みで調整してください。
※たけのこ、レンコン、干しシイタケなどで作ってもおいしいです。
※こんにゃくの食感が悪くなるので、冷凍しておく場合は別の食材に変えると良い。
※⑤の工程で味が染みます。味見をしてうすいと思ったら、また温める時にお醤油を足してください。
一度買ってしまったものを処分するエネルギーを考えれば、本当に気にいったものが見つかるまで気長に待つという選択肢はどうでしょう?
そんな理由で、我が家にはどんぶり椀がありません。どんぶりの献立があると困っているのです…。でもそのおかげで、何処かのクラフト市や器屋さんに行ってもお椀を探す楽しみがあります。
見つかると良いけど、見つからなくてもいいや。
そんなスタンスです。
ここ八ヶ岳にもすてきな器に出会える場所がありますよ。
新緑の季節はすぐそこ。どうぞお出かけください。
おでかけスポット
※今回、撮影で使用した器は茅野市の陶芸家・高橋由美子さんの陶器です。ハーバルノート、カンビオで購入できます。
※くらしまわりの朝食シリーズ(ホットケーキミックス・グラノーラ)はglowthickとカンビオで購入できます。
くらしまわりの台所から・こぼれ話 その12
くらしまわりの台所、今回が最後のコラムとなりました。
この一年を通じて、お料理すること、食べることは喜びだとしみじみ感じています。
身体にいいものを食べたい、野菜だけがいい、口に入れば何でもいい、身体に悪くても好きな物だけ食べていたい、そして何にも食べない人・・・私の周りにいる人だけみてもいろんな食の価値観があります。どんな人のどの“いい”も本当にそれでいいと思うのです。
コラムでは地元の食材、季節の食材などいろいろお伝えしてきましたが、ぐるっと一回りして私の“いい”は楽しく食べればそれでいい、その一点。
笑いの絶えない撮影で作ったお料理は、どれも美味しかった!雰囲気そのものが味となり、私たちの心を育み、身体をつくっているそんな実感があります。身体だけでなく、心の栄養にもなるごはんをつくる、これが私のモットーです。
最後になりましたが、編集長のみっちゃん、撮影の澤井さん、そしてヤツガタケシゴトニン・チーム台所のみんな、本当にありがとうございました。
読者のみなさまも本当にありがとうございます。
来月からは、私のライフワークをつづった新連載「藤森旅館につづく道」がはじまります。どうぞお楽しみ!!
くらしまわり 家庭部 山越典子