季節ごとの八ヶ岳の日々、音、響きを感覚全開で綴ります。
木々が大好きすぎて屋号をKigiにしてしまった私ですが、ここ八ヶ岳に生えているたくさんの種類の樹木の中でも、長い冬の間、葉っぱを青々と茂らせている常緑樹はなんだか特別な存在なのです。
マツ、モミ、ヒノキ、カヤ、ツガ、身の回りにたくさん生えていてどれも大好きな常緑樹ですが、その中でも今回はこの方。
スギ。
我が家の氏神様の神社に生えているのでしょっちゅうお目にかかります。(写真は我が家の氏神様、穂見諏訪十五所神社の境内のスギ)
お参りする前にいつもこのスギにご挨拶。
必ず香りを嗅ぎます。
いつも香りを嗅いでいる同じスギでも、その時によって香りの種類や強さが違うから不思議です。その時の自分の変化なのかスギの変化なのか分からないです。分からないけれどどちらでも同じようなものかとも思います。
スギの香りは甘く温かくて、どっしりしていて湿った香り。大好きな香りです。
どんなエッセンシャルオイルよりも心を穏やかにしてくれて、なにものでもない自分に立ち返らせてくれます。
スギの樹皮は縦のストライプ模様。
樹皮が裂けているタイプ(スギとかマツ)の樹木の香りを強く感じるコツは、この、裂けている木肌のところに鼻を入れて香りを嗅ぐこと(笑)
表面の香りとは全然違う、樹木の本質の香りがします。
樹木の魂にほんのちょっとだけ触れられるような気がします。ただし、樹皮の裂け目に鼻を入れたまま動くと鼻にとげが刺さるので気をつけてください。
スギは日本固有の樹木で、学名は、「クリプトメリア ジャポニカ」。
「隠された日本の財宝」という素晴らしい意味を持つ名前です。
私がいつも感じている「湿った」感じの香りというのは、調べてみるとどうやら根拠がありそうです。スギは数ある樹木の中でも特に肺活量が大きいらしいのです。とても深い呼吸をしているのですね。
そして樹木は呼気と共に湿気を放出します。だから「湿った」感じの香りがするのですね。
スギの香りには、鎮静効果があるそうです。(同じ常緑樹でもヒノキには、正反対の覚醒作用があります。なのでヒノキは「檜舞台」には確かに向いていると言えますね。)
スギやマツに代表される常緑樹を御神木としている神社は日本に数多くあります。
それは古来、神社の本殿がまだなかった時代から、神様の依り代となる樹木が生えている場所自体が信仰と祈りの場だったから。
八ヶ岳の長い冬、乾いたモノクロームの季節に濃い緑色の葉を茂らせ、甘く温かく湿った香りを放っているスギを見ると、祈りの対象だったということが感覚として腑に落ちる気がするのです。
8 hibi note最終回になりました
1年を通して季節の植物の連載をさせていただいた 8hibi noteは今号が最終回になります。
来月からは装いも新たに、新シリーズの連載を担当させていただきます。
8hibi noteをご愛読下さいました皆様、そしてハチモットの編集長みっちゃん、一年間どうもありがとうございました。
Kigi 波多野ゆふ
今後のKigiワークショップはこちら
3/3(土)
「塗る漢方」紫雲膏づくり
明日の開催ですが、ドタ参加歓迎です。
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3/20(火)
光の春のリトリート~ミル・キク・フレル~
ものづくり作家たわらゆうこと音楽家KURIのMiho、Kigi波多野ゆふのコラボ企画です。3人が異なるアプローチで春の植物に近づくためのナビゲートをします。
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3/24(土)
発酵菜食 料理研究家 たかやま晴代さんとの初コラボ企画@八ヶ岳倶楽部
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4/8(日)から
春の薬草講座
春から始める全3回の本格薬草講座です。残席わずかです。
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4/29(日)、30(月)
春の土用 さそり座満月のリトリート ~魔女とすごす2日間~
伊奈谷の魔女ゆかりんとの1泊2日の濃すぎるコラボ企画!限定4名様です。
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5/12(土)
春の薬草観察会~薬草摘み~発酵菜食 料理研究家たかやま晴代さんのランチ
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