HOME CULTURE & LIFE COLUMN 八ヶ岳自然文化園レストランリニューアルレポ⑥ ~地元の後輩に贈る言葉編~

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たくさんの方に支えられたデリ&カフェ「K」はプレオープンの4月20日から約1カ月半が経ちました。グランドオープンまでもう一息ですが、店内の内装工事も進んでいる模様です。

先日は、原中学校の生徒さんたちが「原村学」という特別授業の一環で「K」に来訪!Uターンした先輩の話しを聞こうと、店長・伊藤拓也さんの課外授業が行われることになりました。

中学3年生の学生さんたちに見つめられ緊張する伊藤さん

伊藤さんの第一声は、

「みなさんの中で原村が嫌いな人は手を挙げてください!先生方を無視してもらっていいので」

いきなりドキっとする質問ですが、シーンとした雰囲気の中からぽつりぽつりと数人が挙手!正直でいいですねー!

「次に、原村が好きでも嫌いでもないけど、友達は好きだという人!」

この質問にはたくさんの手が挙がりました。

伊藤さんの話しは続きます―

今日、みなさんに僕が話すことは、今のみなさんにはピンとこないことかもしれません。ですが、先ほどの質問が僕の話しの大事なポイントになっていきます。
実は、僕もみなさんと同じ年頃のとき、原村が大嫌いでした。あの頃の自分には大自然や風景より便利さが大切なことで、この田舎にはそれがないと思い込んでいたからです。少しでも早く、この環境から出たいといつも思っていました。

この原村嫌い発言は、生徒の心を掴んだ?のか、みんな一斉にメモを取っています(笑)

みなさんの中で、これから高校に上がり卒業して、ここに残る人、あるいは県外の大学に進む人も出てくることでしょう。僕もその中の一人でして、東京に行きました。そこには、便利な生活があると思って…。

伊藤さんの東京での生活にはいいことも悪いこともあったそうで、それでも20代はずっと“原村には絶対に帰らない”と思って過ごしていたとか。30代で仕事をしていくうちに、自分が上司という立場になって従業員の面倒を見るようになり、休日には実家に帰ることが多くなりました。

そこで、伊藤さんが改めて出会っていくもの。それは地元の幼馴染と、原村の大自然でした。

地元の友人たちとは休日のたびに会うようになりました。その中で地元にUターンした幼馴染の一人が「八ヶ岳を盛り上げたいんだ」と頑張っている話を聞くなかで、自分が“原村に帰ってくる”、単に帰るのではなく“原村のために何かをしたい”という感情が芽生えてきました。

僕自身がこのような気持ちになったのは、東京に行くまではわからなかったこの自然への気づき、忙しさを癒してくれる素晴らしさ、そして人々の優しさのおかげです。ここに住む人は、本当に一人のためにみんなが動いてくれます。それはこの自然環境の中で育ってきたおかげではないかと思っています。

伊藤さんの口からは、何度も「今はわからなくてもいいんです。でもこの環境で育ってきたことはすごいことなんです」という言葉が出ます。そして、目の前にいる中学生のみんなへ、「保育園から中学生までずっと一緒にこの中で育ってきたんですよ」と。

僕が帰ってきたことの一つは大それたことかもしれませんが、高齢化が進む人口7500人の村が、僕ら世代が帰ってくることで少しでも活気を戻せればいいなということです。決して手助けという意味ではなく、高齢化でマイナスになった部分をゼロに戻せればいいな、そしてそういう活動が必要じゃないかと思っています。

こうして伊藤さんと友人たちは、高齢化問題に対してなにか役に立てることがないかと考えた末に、ご飯を提供する手間を受け持つ「レストラン」構想へと繋がっていったそうです。動ける年代が、その基盤を作ることが大事ではないかと。

そして、このような動きができるのも、仲間の存在があってこそでした。“私にも、僕にもこんなことならできる”そういう想いをもった仲間が集まってこのレストランができています。

みなさんが原村を嫌いでも好きでも生まれた地域は変えられません。原村の未来をいま考えなくてもいいです。でも中学卒業、高校卒業、二十歳のとき、社会人になったとき、どこかの節目にどうぞ、育った地域について想ってみてください。

伊藤さんは、最後に一番言いたいことがありますと、中学生のみんなの前に進みました。

今日、僕からみなさんに一番伝えたいことがあります。それは、みなさんがいま大事にすることは原村について考えることではないということです。いま、みなさんの“隣にいる人”、そう友達を大事にしてほしい。その友達とたくさん話をしてほしい。たくさん仲良くなってください。それが僕をこのレストランに繋げたことですから。

ハチモット編集部、ここで涙腺が崩壊しそうでしたが、「原村学」、先生方のアイデアはすばらしいですね。この機会への同行をありがとうございました!

伊藤さんの特別授業を聞いた生徒の中からは、「いまは原村が好きではありませんが、僕も節目に振り返ってみたい」という声がありました。

伊藤さんの想いは、きっと何年か後の彼らに届くことでしょう!

リニューアルレポもまだ続きます!

案内人
8mot編集部
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