2017年春より、大工の夫と共に「くらしまわり」をスタートさせる。おいしく食べること、丁寧に暮らすことの面白さを提案している。不定期でお料理教室を開催予定。
こんにちは“くらしまわり”山越典子です。
くらしまわりの台所が終わり、今月より新連載をスタートさせて頂きました。早速ですが、タイトルにある藤森旅館…
さて、藤森って何でしょう?
そうそうもちろん苗字です。
私の暮らす長野県茅野市、ここは建築家・藤森照信さんの故郷。日本を代表する建築史家でありながら、その独創的な作品で国内外にファンの多い、そんな特別な建築家さんです。
三重県で生まれ育ち、20代をほぼ東京で過ごした私が、今、ここに暮らしている理由はただひとつ!!
それは…
「藤森さんの追っかけの入り待ち」
りんごより、みかん派
そばより、うどん派
寒さが苦手で、乾燥に弱い…
そんな私が、何はともあれ藤森さん!という事で7年前に茅野に移住してきました。
実は私。
藤森さんに建物の設計をお願いしています。
ここ数年は土地探しの真っ最中!
挨拶代わりに「いい土地ありませんか?」、神社に行けば「理想の土地に巡り合えますように」、新月だって…七夕だって…
いつでもどこでも藤森さん。
そんなこんなの移住や藤森建築への壮大な夢への一歩一歩を振り返りつつ、一年間たっぷりと綴っていきます。皆様、お付き合いの程、どうぞ宜しくお願いします。
遡ること14年前。
東京、文化服装学園時代。
何気なくTVをつけると、そこには高過庵が。
「あかん!!」(めちゃくちゃ良い!の意味)
「どうしよう!!」(何これ凄すぎる!の意味)
それは藤森さんの設計した高過庵という茶室の出来るまでを追っかけたドキュメンタリー番組でした。まるで雷に打たれたような、そんな衝撃を受け、ビリビリ放電しながら番組を見終わったものの…
もう一回見たい!
気持ちの高鳴りは収まりません。「再放送いつですか?」とTV局に電話をしたのは後にも先にもこれ1回。
その大きな衝撃は、小さな小さな波となって、私の隅々を余すことなく行き渡っていくのでした。
本物が見たい!!
と、その後仲間と一緒に茅野ツアーへ繰り出します。
「あーー高過庵の見えるところに眠りたい」(高過庵の裏はお墓)
とそんなブラックな冗談を言って、笑っていた記憶がありますが…。まさか、こうして茅野で暮らすことになるなんて。
雷に打たれるような経験。
私の人生を生き切る為のターニングポイント。
さて、次回は長野への移住のお話し。
5月9日に更新予定ですので、どうぞお楽しみに。
手にはいつも土産をもって
藤森さんのお父さんへ
お世話になったお礼のお土産、焼きまんじゅうをこしらえる。
その後、おハガキを頂き、宝物になる。
言葉だけでは伝えきれない、
気持ちは手土産に込めて。