HOME CULTURE & LIFE COLUMN vol.2 産む力、生まれてくる力、生きる力、旅立つ力を信じる

こんにちは。藤森朋子です。

新緑がまぶしく、芝生に寝転んで大地エネルギーチャージ、毎日変わる八ヶ岳の表情に感動しありがとう~っと叫んでいます。こうして自然の中に存在すると、一瞬一瞬が二度とこない瞬間なのだと感じます。

生まれるって?死んでいくって?どうなるんだろう?

前回の記事に書いて時間切れ(文字数切れ?)の『産声をあげるとき息をひきとるとき』のトークセッションについてつづきです。

2004年当時産婦人科クリニックに勤務しながら自然療法などお勉強中の私。医師は「お腹が張ったら横になる、それでも張るなら薬出しますからね~」というのがお決まりのセリフなのに、愛知県岡崎市の吉村医院では、妊婦たちが薪割りをし、スクワットのように壁を拭き、かまどに火をおこし、みんなで料理して食べ、語り合う、というのを聴いてびっくり。先生の著書を読んでますます興味が!

そんな時、友人が開業助産師さんと自宅出産をし、陣痛を越えたら日常の中に新しい命がいるということの一方、産んだ後の静けさの中、近所の寺の鐘の音が響き、死んでいくことってどうなんだろう?と疑問が沸き上がったという話を聞かせてくれました。

団塊の世代が高齢化に近づき畳の上で死にたい。という言葉もチラホラ・・。私もお産の現場にいつつ、祖父の話や看取った患者さんたちの生ききる姿の話をし、生と死を意識することで、今この瞬間を大切に生きられるのではないか?と思っていると意気投合しました。

お産と死が、病院というところに切り取られ、ベールに包まれたのは1960年後半から。

“生死の話が聴きたい”と、トークセッションの構想が現実化していきました。そこで吉村正先生と在宅ホスピスをしている内藤いづみ先生をお招きしようと友達が企画書とお手紙を送りました。すると…手紙が到着した頃、友達の家に、吉村先生が電話で「俺はこれがやりたかった!」と興奮気味。内藤先生も「明日、寄るわ。」とお二人ともぜひともその講演会でお話したい!と言ってくださいました。素人の私たちが動き出したのです。

※吉村正(産婦人科医)…愛知県岡崎市の吉村医院元院長。薬や医療機器にほとんど頼らず女性の持っている産む力で出産する自然なお産を提唱し支えてきた。2017年11月享年85歳他界
※内藤いづみ(在宅ホスピス医)…山梨県甲府市のふじ内科クリニック院長。イギリスのホスピスにて研修を受け、帰国後在宅ホスピス医として約30年看取りに関わり、全国にいのちのメッセージを講演している。

妊婦さんは、ゴロゴロ・ビクビク・パクパクしないで(笑)

吉村医院に打ち合わせを兼ねて母親学級に参加すると、先生とひざを突き合わせて妊婦たちが心の内を正直に話し、ポロっと涙したり、ゲラゲラ笑う…和やかな姿に衝撃!

病院での母親学級は緊張の面持ちの妊婦が並んで座り、隣の方と会話もなく、先生や助産師が授業のように話している図だから(泣)←(今、私の担当している市町村の講座は笑いに包まれていますよ!)

吉村先生は「ゴロゴロ、パクパク、ビクビクしない!」と笑いながら妊婦さんたちに言うんです。だから、みんな「ニコニコ、パクパク、ワクワク 」している印象です。

薪割りやスクワットは体力のため…でも、それだけではない…薪割りって一歩間違えれば大ケガしかねないもの、斧を振り上げ、腰とともにスッと下ろす・火をおこすのも、五感を研ぎ澄ませ、祈りを込める一つ一つの営みの中で、いのちの尊さ厳しさを感じ、お産という命懸けのものに臨む覚悟を決めていく…大切な時間となっているんです。妊婦さんが凛と肝が据わっているってこういう感じなんだろうな、という感じがしました。そう、肝っ玉母さんになる、ね。

先生の奥様の生家重要文化財

産む力、生まれてくる力、旅立つ力を信じている。

薄暗い静かな空間で、陣痛の波にのる母と子を、産む力と生まれる力を信じて、じーっと寄り添っている吉村先生と助産師さん。お産の時の女性はとても動物的で敏感。そばにいる人の緊張感やイライラまでも感じ取ってしまうくらい。寄り添う先生と助産師さんは、その場の微細な空気を感じ、流れを邪魔せず、必要なことを察知してそこに在る…。

人間が本来持つ本能と医療的知識とで、相手の息遣いをしっかり診て、必要な時には手を差し伸べられるようにしながら、信じて待ちます。オキシトシンというホルモンや子宮の収縮、赤ちゃんの回旋…様々な力がしっかりと発揮されるように。

吉村で産んだ女性がお話ししてくれました。お産の時の孤独が一体感になり、厳かなその瞬間、吉村先生の存在、助産師さんの存在…声がなくとも伝わってきて、この上ない安心感と自信と…言葉にならない感覚だった…。と。

一方、吉村先生の著書に勇気づけられイギリスの助産師さんとお産したというご縁のあった在宅ホスピス医内藤いづみ先生。最期まで自宅でまたは野良仕事をして、いつものように生活したいと願う患者さんの要望を可能な限り叶えられるように、痛みを軽減し、日常をサポートし、寄り添う家族の方の葛藤や不安をもケアしながら、その方の生ききる力、旅立つ力を信じています。

お二人とも、いのちのうまれるときも旅立つときも同じだと、その力を信じていらっしゃいます。医師が主役でなく、患者本人、お産する本人が主役だと尊重しておられました。

そう!生きる私たちひとりひとりが主役です。妊娠も、お産するときも、病も、病院にいたとしても、最初から最期まで自分の力で生きている。私たち自身もその力を信じていけたらいいですね。

2005年講演会の様子の新聞写真懐かしい~~

つづく。

マイ助産師に、ホンモノの切れ目のない産前産後サポートを受けよう!

一緒にお話し聴いて、語り合いましょう。諏訪地域でもお産の可能性が広がりますように!医療者の方も、ママも、パパも、ばぁばも、ぜひ!

6月9日土曜日13時から。
女性の一生に寄り添う助産師さんたち。
https://www.facebook.com/events/1680728895356333/

主催 マザーリーフ・森の女神会~八ヶ岳周辺の開業助産師やお産に関わる方の情報交換お勉強会

頭蓋仙骨療法、アロマセラピスト、ベビーマッサージアドバイザー、看護師
藤森朋子
様々な自然療法にて茅野市の自宅「Natural care house Sincerely」でオリジナルの施術、教室開催や講師を招いての講座の企画運営。 行政、地域、企業、医療業界などへ、母子保健事業のマタニティ、ベビ-マッサージクラスや、企業へのメンタルヘルスなど、赤ちゃんこども妊娠出産産後、働き盛り、高齢者まで全世代向けに病気になる前に家庭で対策をとれるようにアロマテラピーやセルフケア方法、心と身体のつながりを伝えている。その他「産声をあげるとき息をひきとるとき」をテーマに、生きることをともに感じ、考え、育んでいく講演会、地域活動、お話し会を仲間と開催している。
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