HOME CULTURE & LIFE COLUMN episode6「青は藍より出でて藍より青し」

今回訪れるのは、晴れていれば360度の視界が開け、藍より真っ青な空が拝める場所「八子ヶ峰

八子ヶ峰は蓼科山の隣にある人気ひとけのない山、まだ私が堅気りょこうしゃだった頃に訪れたことがある小さな山だ。
だが山頂はあくまでも広く、蓼科山はもちろん、八ヶ岳、南・北・中央アルプスまで望める展望の良さ。コース中に難しい箇所もなく、夏はハイキング、冬は雪山入門におすすめだ

春の訪れを感じる清々しい草原の風と八ヶ岳ブルーを堪能しようじゃないか。

しかし4月に入ったとは言うものの、八ヶ岳の山々はまだ残雪が残る冬山の様相。昨日も雪が降ったようだ。前回は雪が少なく、つぼ足でOKだったのだが、今回はそうは問屋が卸さないようだ。
しっかりと冬山の装備で臨むとしよう。

さあ、出発だ。

うっ、踏み跡がないじゃないか。
そうか、昨晩からの降雪で昨日までの踏み跡が消えてしまったのか。
こうなったら以前登った時の記憶を頼りに進むしかない、
厄介なことにならなければ良いが、、、

まずは看板を目安に進んで行こう。
なかなかの急登、スノーシューを履いているのだがズボズボっと足を取られなかなか前に進まない。
おやっ、おやっ、どうもいきなり道を誤ってしまったようだ。

ちょっとばかり焦る気持ちを抑え、以前の記憶を頼りに進んで行く。
すると右前方にうっすらと登山道らしきものが見えてきた。

なんとか合流、事なきを得た。
さあ、先を急ごう。

しばらく進むと視界が開けてきた。
すると前方に赤い三角屋根の怪しげな建物が見えてきた。

青空組の見張り小屋か?!

いや、「ヒュッテアルビレオ」 山小屋だ。
冬は休業しているらしい。

視界の開けた気持ち良いルートを歩く。
本日の目的地は近い。

到着。
八子ヶ峰東峰頂上

早速山頂青空絶景珈琲を頂こうじゃないか。

本日のコーヒー

コスタリカ SHB コーラルマウンテン

コーラルマウンテンという名前は、”晴天の日には、美しい藍色に見える”ことから名づけられたとのこと。 
今日のような八ヶ岳ブルーにふさわしい名前じゃないか。

コスタリカのTarrazuの中でも、高品質なコーヒーを生み出すCorralillo地区で育てられ、しっかりとしたボディと 爽やかな酸味を有した高品質なコーヒー。 
上品で柔らかな酸味とフローラル・フレーバー、後味が すっきりとした中に甘味が感じられる、ブラックで飲んで欲しい逸品。

今朝はあらかじめアジトおうちで落とし淹れたやつをボトルに充填してきた。

早速いただくとしよう。

ああ、飲んだ瞬間、鼻に抜けるフローラルの香り、爽やかだ。そして喉の奥に広がる甘みと苦味が、少しぼんやりしていた意識をはっきりとさせるのがわかる。
今日はこれを選んで正解だったようだ。

本日のルート

すずらん峠園地駐車場―女乃神茶屋—ヒュッテアルビレオ―八子ヶ峰東峰頂上(ピストン)

女神はいない模様

さて、6度ほど私好みの偏った裏街道を歩いてきたのだが、訳あってないですこれからしばらく姿をくらますことにした。これを機会に各々が独自の美しくそして密やかなスポットを見つけて歩いてくれるのならば、私の魂も少しは救われるのかもしれない。

そして、たとえそれが誰も訪れないような寂れた地だろうが、赤岳のような大人気のメイン王道の地であろうが、己の意志で選択したのならば、そこが貴方のオアシスなのだ。

最後にお願いがある。
裏街道でもし私とすれ違ったとしても、どうかそっとしておいてほしい声かけてください、、、

ありがとう。

逢徒 狼(あうとろう)
八ヶ岳界隈に棲みついた一匹オオカミ。裏街道こそが生きる道とうそぶくのが癖。
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