HOME CULTURE & LIFE COLUMN 第12歩「奇跡の土地」
建築家、藤森照信さんの“追っかけ、入りまち”藤森建築をたてるべく、土地探しの真っ只中!ここに至るまでの、いろいろなお話を綴っています。

さてさて、本格的な土地探しをはじめた私ですが
なかなか思う様な土地に出会いません・・・
いくらでも土地はあるのに~!
おおーい、希望の土地よどこにあるー?

詳しくは
藤森旅館へつづく道 第1歩「雷に打たれた日」
藤森旅館へつづく道 第2歩「いざ!!長野へ」
藤森旅館へつづく道 第3歩「藤森さんとご対面」
藤森旅館へつづく道 第4歩「棺桶にはいるとき、私は」
藤森旅館へつづく道 第5歩「嘘も方便、お茶会にいく」
藤森旅館へつづく道 第6歩「告白のとき」
藤森旅館へつづく道 第7歩「何度も何度も」
藤森旅館へつづく道 第8歩「追っかけ入り待ち」
藤森旅館へつづく道 第9歩「おいしい家へようこそ」
藤森旅館へつづく道 第10歩「ジェラシーの行き先、オーストリアへ」
藤森旅館へつづく道 第11歩「ピンチ!土地探し難航」

振り出しに戻った土地探し。
さあ!もう一度自由な目で土地という土地をみるんだ!

という事で、あちこち巡る日々が再びやってきます。
少し大きくなった子供を連れまわすのもなんだし、しばらく働けなかった事で経済的にもすこし余裕が欲しい・・・。
そうと決まれば保育園探しです。
長くなるのでいろいろ端折りますが、子供は山梨にある保育園で見てもらう事にして、お次はアルバイト探し。
自宅から園までは車で40分・・・
園の近くで見つかると良いな〜と、思っていると
ここも長くなるので端折ります、富士見町の信濃境(山梨県との県境近く)で条件ぴったりのアルバイトを紹介してもらいます。

子供を預けてアルバイト、旦那と一緒にくらしまわりとしての活動を開始します。
あ~楽しい。
子供との時間もギュっと濃縮されて、さらに愛しい存在に。
万事OK!

じゃないじゃない、土地を探しなはれ。

この頃には茅野市民館主催の“低過庵ワークショップ”が開催され、もちろん家族で参加。
ちなみに、高過ぎる庵に対して・・・低過ぎる庵・・・
なんちゅう発想力、最高(笑)

高過庵の下での作業、可動式の屋根を作ります

こちらが本体、低過る地下に埋まっている

屋根が乗って完成間際!

藤森さんに土地がなかなか見つからないんです、と話すと。
「急がないから大丈夫」と一言。
相変わらずのさっぱりしたお答えに、ひとまずホッ。

低過庵の中、暖かい空間

さて、土地探しに話をもどします。

人生というのは本当に面白い。
このたまたま入ったバイト先で、ふと土地を探している話をすると・・・
あそこどうかな?という話になります。

驚くほど仕事が早い上司に案内してもらい、言うが早いか土地の見学に連れて行ってもらいます。
草ボボーの細い坂道を四駆の軽自動車が駆け上がります、ひ〜落ちる〜と冷やや汗をかきながら無事到着。
車から降りると、そこに広がる景色。

あかん!(めちゃくちゃ良いの意味)
ここや!
決めた!

そこは縄文文化が栄えた、井戸尻遺跡近くの小高い土地。
遠くに富士山(さすが富士見町)、美しくのどかな田園風景の奥にはパノラマにひろがる甲斐駒ケ岳!

おさらいも兼ねて、私の土地探しの条件と照らし合わせてみます。

条件1→ 広く、人工物が目に入らない
で、井戸尻の土地→広い!人工物がほぼ目に入らない!

条件2→ 周りの環境に人工的な変化がおこりにくい
で、井戸尻の土地→周りの環境に人工的な変化が起こりにくそう!

条件3→ 土地の持つ心地よさがある
で、井戸尻の土地→あるある!!ありますあります!!縄文人のお墨付き(お住み着き)!

はい、整いました~、奇跡の土地!

土地を見たその日の晩は、あそこで宿か〜ついにきた〜(気が早い)と、興奮して眠りにつけないほど(笑)
わくわくほくほく楽しい妄想は膨らむのでした。

決まりました、めでたしめでたし、それでは皆さまオープンをお楽しみに!

とはならないのが、これまた人生。

その奇跡の土地、地主さんも「井戸尻の発展のために使って欲しい」と言ってくださり、めでたく購入の話になったのですが・・・。

建築基準法第43条1項 接道義務
(幅員4mの道路に敷地の2m以上が接しなければならない)

現在の道幅、ほぼ2mと言う事は・・・建築許可を取るためには倍の道幅が必要ということに。
建物が建てられない土地と判明。

なんという落とし穴、はー、良いところ見つけたのに残念でした。

と、ならないのは私の人生。
諦めない精神全開でどうにかしてやろうじゃないの。

お馴染みとなった手書きの企画書を作り込みます(笑)
全24ページ、制作期間7ヶ月!
富士見町に持っていき、交渉です。

そして、また企画書の最後には・・・

こちらも家宝!

今回も快くサインしてくれる藤森さん、感謝しかない。

そして、その結果。
企画書の内容がよかったのか?
副町長さんを相手にごねたのがよかったのか?
やっぱり藤森さんのサインが利いたのか?
町の建設課からはこんなお返事をいただきます。

「自費で道幅を4mにひろげ、その道を町に寄付するという形であれば
希望している土地で建築許可をおろす事ができる」
※大まかにはこの内容、本当はもうすこし細かな条件があります

なんと!道を作らないといけない(汗)

いや、道を作ればOK!(喜)

広くなる予定の道

と言う事で現在、建築許可取得に向けて、思わぬ壮大なスケールで動き出しています。
このコラムを書き始めた昨年の4月、まさか本当に藤森旅館へつづく道をつくる事になるなんて、誰が想像できたでしょうか?(笑)

遡る事15年前!高過庵との衝撃的な出会い、
そして想いを募らせ、設計をしてくださいと藤森さんにお願いしたのが9年前。
理想の土地を探し初めてから、6年の歳月を経て・・・
ようやく過去から現在に追いついたこのコラム、綴ってきたその夢が現実のものになりそうです。

ここにたどり着くまで、たくさんの人たちと出会い、数え切れないほどのサポートをしてもらってきました。
藤森旅館へつづく道を振り返ると、そこには無数の足跡が見える様です。

一人で歩き始めた細くて先の見えなかったこの道も、山あり谷あり進むうちに家族が増えて、そして気がつけばたくさんの仲間たちと一緒に進む大きな道になりました。
この先どんな道のりになっても、大丈夫。
全ての出来事が奇跡で、そして紛れもなくこの現実を作り上げた出来事なのです。
一人一人、あなたにも有難うが言いたい。
藤森さんにも大感謝、心から有難うございます。

ここでコラムの連載は一旦おやすみとなります、また新着があればお知らせさせてください。
※道を広げる工事は費用もかかるうえに申請などがたくさんあり、建築許可がおりるまでに一年以上はかかる予定です

運命を変えた高過庵

藤森建築に出会った時のワクワクを!たくさんの人たちと共有したい。
引き続きがんばっていきます。
今後とも応援宜しくお願いします、皆さまもこの夢に携わる一人として一緒に楽しんでいただけたら幸いです。

想いは届く、願いは叶う。

くらしまわり 家庭部  
山越典子

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手にはいつも手土産を持って


藤森さんへ感謝の気持ちを届けたい。
これくらいじゃ足りないけれど、今の私に出来ること。
ありがとう一杯のお菓子。

暮らし探究家
くらしまわり 山越典子
安曇野にあるホリスティックリトリートセンター穂高養生園にて調理を担当。2012年茅野市に移住。玄米菜食のお店「おいしい家」を一人で切り盛りする。出産のため一時休業。
2017年春より、大工の夫と共に「くらしまわり」をスタートさせる。おいしく食べること、丁寧に暮らすことの面白さを提案している。不定期でお料理教室を開催予定。
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