HOME CULTURE & LIFE COLUMN 2時間目「『逆さにして掛ける』のがモヤモヤするみなさんへ」(前編)


新しい職場で先輩から仕事の手順を教えてもらう…
みなさんは、そんな経験がありますか?

教育係の先輩から「まずAをやって、それからB、その後Cね。」と手順を教わるけど、当然、慣れていないうちはミスもするし、スピードも遅い。
普通の見方をすれば半人前の新人は職場の「お荷物」かもしれません。

あなたは少しでも仕事を理解しようと質問をしてみる。
「AとBはどこが違うんですか?」
「どうしてAが先なんですか?」
「そもそも何を作っているんですか?」

先輩は「私も、よくわからないけど、やってるうちに慣れるよ。」と、やさしく応えてくれる。

あなたは自分なりに速く正確にできる方法を考え、「これはB→A→Cの順番でやった方が効率がいいのになあ」と感じるようになる。

そんな時、ミーティングで「もっと業務を効率化し生産性を向上しないと生き残れない。気づいたことがあったら遠慮なく言ってくれ。」と上司が口火を切る。

さて、みなさんが一番「下っ端」だとして、ここで手を挙げることができますか?

このような状況は決して「職場」だけのものではありません。
地域の寄り合いで、PTAの会合で、「慣例」という不条理な壁にぶつかった経験はありませんか。

子どもたちの環境も同様、いや、それ以上かもしれません。
厳しい顧問と上下関係で成り立つ「部活動」や日常の「算数の授業」の中でも、同じような状況は少なからず起こっています。

例えば、ある授業で、塾で先取り学習をしたらしき友だちが、すらすらと「分数の割り算」を解いていきます。

特に予習もせず授業に出たあなたは、とりあえず言われた通りにやってみます。
ただ、「なぜ、逆さにして掛けるのか」意味はわかりません。

「何で逆さにするの?」「何で割り算なのに掛けるの?」

モヤモヤは晴れないまま、足し算や掛け算のやり方とも混乱して、ますます「計算ミス」が増えていきます。

見かねた先生は、「わからないことがあったら質問してね」と言ってくれるでしょう。
ところが、塾に通う友だちや先生に質問しても、「まだ、練習量が足りないね、習うより慣れよって言うでしょ。」という「根性論的なアドバイス」しか返ってこない。

求めていることは「論理的な説明」なのに、「前例や慣例に従って単純作業に慣れていく」ことばかりが求められる。
ある意味、最も論理的でなくてはおかしい「算数・数学」の世界ですら、根性論で成り立っている。

でも、分数の割り算は『本当に逆さにして掛けない』とできないのでしょうか?

次の例題を見てください。

(例題)$$\frac{6}{12}\div\frac{3}{4}$$ を計算してください。

解法A:「逆さにして掛ける」という学校で習う方法
  1. まずは後ろの分数を逆数にして、割り算を掛け算に変えます。
  2. 前後の分数の、分母と分子を斜め同士で約分します。
  3. 約分し終わったら、分数の掛け算のルールで計算します。
解法B:「逆さにしないで、そのまま割れないの?」という素直な気持ちで解く方法
  1. 掛け算の逆なんだから、そのまま「分母同士」、「分子同士」を割ってみます。
  2. とりあえず、割れそうです。

さて、AとBの答えを見比べてみると…?…ん…!

そうなんです!
実は「逆さに」しなくても、「掛け算に」しなくても、同じ正解を導くことはできるんです!

なぜ、そうなるのか、例外はないのか、
次回、「『逆さにして掛ける』のがモヤモヤするみなさんへ」(後編)に向けて、ぜひ、みなさんもお子さんや、お友達と色々と試してみてください。
そして、新しい発見や、ご意見・ご質問等があれば、ぜひ、お気軽にお寄せ下さい。

それでは、今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ガリレオ先生こと、村上陽一さんの活動

「ママ算数コラボ企画~「カラダ・ココロ・アタマ」のストレッチ」

「運動が苦手な人でも楽しい!」と大人気のめぐみ先生の『ストレッチの会』と、
「算数が苦手なママさんでも、いつの間にか算数好きになる」と噂の『ママ算数』が初コラボします(^^)/
しかも!今回は初夏の高原の空気を感じられる『Guest house & Cafe Bon』さんに会場をお借りする上に、『美味しいお茶とスイーツ』までついちゃうという夢のような企画です(^o^)

日程 2019年6月25日(火)
時間 9:30~10:00「ストレッチ」
10:00~10:30「お茶タイム」(休憩)
10:30~11:30「ママ算数」
11:30~12:00「おしゃべり、質問タイム」
費用 「ストレッチ」&「ママ算数」のセット: ¥1500
どちらかのみ参加の場合: ¥1000
※どちらの場合も1ドリンクとスイーツが付きます!

お申し込みは→ https://www.facebook.com/events/690354801406337/

村上 陽一(むらかみよういち)
・小学校時代は、野球、サッカー、陸上と、いわゆる「暗くなるまで外にいる」タイプ。
・中3時に新設された茅野市立東部中学校に移り、初代生徒会長及び文化祭実行委員長を兼任。
・清陵高校に進み、サッカーにバンド活動、清陵祭実行委員長と高校生活をエンジョイ(笑)。
・国立東京学芸大へ進学。この頃の優先順位は「バンド→塾でバイト→勉強」と、さらにエンジョイ(苦笑)。
・1999年、東京都東大和市で独立起業し学習塾を経営。後に母の看病のために塾を譲渡し帰郷。
・2005年、都市部とは異なる地域のニーズに応えるべく茅野市に学習塾『学び舎Planus(プラナス)』を設立。
・2015年、母校東部中学校の初代同窓会会長、学校評議員、コミュニティスクール運営委員を務める。

~最近では~
・子どもが算数大好きになるには、まずママからと「ママが楽しむ算数講座」を開講。
・東部中学校内で「放課後自習教室」をサポートするボランティア活動をスタート。
・不登校のお子さんのための居場所、学習支援を行う『Glück(グリュック)』を始動!!
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