こんにちは、はやしです。
2014年の春に単身、八ヶ岳に移住してきました。
はじめに告白しておきますね、
実は社会人になるまで、コーヒーにミルク入れて飲んでました。
だってコーヒーって苦いんですもん。
そんなおこちゃまな僕がブラックでコーヒーを飲むようになったきっかけ、それはひとつ年上の素敵なお姉様に連れて行っていただいた南青山の大坊珈琲店。そう、2013年に惜しまれつつ閉店した老舗の喫茶店です。
ネルドリップで淹れる深煎りのブレンド、1番から5番まで。真ん中の3番(20g、100cc)がおすすめということでそれをお願いして、色々な意味でビミョウに緊張しつつでも平静を装って分厚い一枚板のカウンター席で待ちます。やがてネルドリップで丁寧に淹れられたそれは目の前に出されました。
「お砂糖とミルクはお使いになりますか?」
「あっ、ブッ、ブラックで、、、」
濃厚かつ柔らかな甘みと芳醇な香り、う~ん、美味い。
僕のブラックコーヒー人生はこの時スタートしました。
僕が八ヶ岳に移住してきてまず始めにしたこと、それは天然水を汲んできてコーヒーを淹れること。これ、永年の憧れでした。
抽出したコーヒーに含まれるコーヒー成分は約2%と言われています。残りはお水なのでどんなに良質なコーヒー豆や淹れ方にこだわっても、お水が悪ければ風味が損なわれるということになりますね。ですから“雑味のない天然水で淹れたコーヒーは美味しいに決まってる”というわけで近くの湧き水場を調べていそいそと汲みに出かけました。コーヒー豆は友人が自家焙煎している中深煎りのシングルオリジンです。
もちろん美味しかったです、とっても美味しかったです。
でも違いのわかる「ダバダ〜」の男ではない僕には、水道水で淹れていた今までのコーヒーとの確実な違いは正直なところわかりません。
そうなんです。
湧き水を汲みに行く、自家焙煎の豆を挽く、ハンドドリップで淹れる、自然溢れる環境でいただく、こんな八ヶ岳ならではの一連の作業こそが、コーヒーを美味しくしているんですね。
時間に追われあくせくと動き回る都会ではなかなか実現することができない丁寧な暮らし、そんな暮らし方が心の豊かさをもたらし、人に優しいコミュニティ(世の中)が育っていけばいいな、と。そんなことを思った八ヶ岳暮らしの始まりでもありました。
今では僕も自家焙煎するようになり、でも難しいことは考えず自分なりのコーヒー時間を毎日楽しんでいます。
「お砂糖とミルクはお使い、、、、」
「ブラックで!」
はっきりと言えるオトナになりました。
大坊さん、ありがとうございます。