帰国後、すこしずつ活動をスタート。
作品展示・販売の他、刺繍の講師も務める。
2018年に横浜から下諏訪へ移住
現在、地域おこし協力隊として活動しつつ、教室OPENに向け準備中。
スカルス手工芸学校に通っていた半年間は、本当にあっという間でした。
来た時は雪景色だったのに
気づけば初夏の清々しい季節になっていました。
夏が近づいているということは、卒業も間近ということです。
帰りたくないよーーーーー!!!!
こんなにゆったりな生活に慣れちゃったら、日本で生活できなくなるかも・・・そんなことを考えながら、毎日の些細なことも、卒業の日が近づくにつれ名残惜しくなっていきました。
毎朝交わす 「God morgen!(おはよう)」 のあいさつや、キッチンスタッフのBenteが作ってくれたキャロットケーキ、
クラスメイトの家に遊びに行ったり、
毎日の朝礼でさえも名残惜しい時間でした。
朝礼も日本とは少し違いました。
日本の朝礼といえば、「前ならえ」をして整列し、終わるまで立ち続ける。
話すと先生に怒られる。
というイメージではないですか?
私が通っていた学校では、リンリーンと鐘が鳴ると、みんな講堂に集まり各々が好きな場所に腰掛けていきます。
そして校長先生のあいさつで始まります。
「God morgen!」
校長先生が話し始めると、みんな何かを取り出し、作業を始めます。
刺しかけの刺しゅうだったり、編みかけのセーターだったり、スケッチブックだったり。
「何作ってるの?」
「友達の子供にプレゼントする帽子。すてきでしょ?」
などと、お話しをする生徒もいます。
みんなあまりにも堂々とやるから、逆にこっちがドキドキしてしまって・・・
怒られないかな?大丈夫なのかな?と。
“日本の朝礼”が当たり前だった私にとっては、見慣れない光景!
校長先生に失礼にあたらないのか気にしてしまったのだけど、みんな所々で先生の方を見ていたり、
「Yes!」と声に出してリアクションをしていたり
「それは○○ですか?」
と手を挙げて質問したりすることもありました。
みんなちゃんと聞いてるんだ!すごーい!!と、感動。
校長先生の代わりに、生徒がワークショップをやることもあり、終始なごやかな雰囲気の朝礼でした。
今までこの学校でのいろんな体験を紹介してきましたが、実は私が「ヒュッゲ」という言葉を知ったのは、帰国したあとです。
ちょうど日本で流行始めたくらい。
以前、クラスメイトのマチルダが日本へ遊びに来たときのこと、
本屋に並んだ北欧特集の中にあった「ヒュッゲ」に関する多数の書籍を見て
「え、何でこんなに特集されてるの?!」
と、とても驚いていました。
デンマークでは、当たり前のように日常生活の中にヒュッゲが溶けこんでいて、あえて意識することではないんだなきっと。
さて!卒業まであとわずか!
卒業制作に追われる中、夏至のお祝いをしたり、
みんなで卒業旅行に行ったり、夏を存分に味わい
最後のデンマーク生活を満喫します。
卒業展示を控えているからか、この時期は先生達もさすがに慌ただしくなります。
夜中まで作業することもしばしば。
次回はいよいよ卒業制作展示です。デンマーク全土からクラフト作家さんたちも集まり、盛大に行われます。
お楽しみにー!
穴の開いた靴下などを繕う刺繍「ダーニングステッチ」をやるときに使うものです。
右は、「ダーニングマッシュルーム」という道具で、これに生地をあてて刺繍しやすくします。北欧の蚤の市で購入したものです。
左は、「アップルトン」という糸で、細いのにしっかりして、おススメです。
少し毛羽立っているので、繊維が結束して繕った部分がさらに丈夫になります。