HOME CULTURE & LIFE COLUMN Vol.10 毒のある植物 薬になる植物
季節ごとの八ヶ岳の日々、音、響きを感覚全開で綴ります。

トリカブトの実の枯れた姿。
言わずと知れた猛毒の植物。(だけど生薬でもあります。)枯れた姿も独特の存在感。

花の時期はこんな感じ。
力強く、美しいです。

マムシグサの実。
こちらも有毒植物です。(だけど生薬でもあります。)

夏はこんな感じ。

やはりとても存在感があり凛として強く、かっこいいです。トリカブトもマムシグサも美しい毒草ですが、彼らがなぜ毒を持っているかというと、自らが生きていくため。動物などに食べられるのを防ぐためです。

一方こちらは、我が家の精油たち。

精油の中にはよい香りのするもの、抗酸化(アンチエイジング)作用のあるもの、殺菌作用のあるもの、たくさんの種類があります。

なぜ植物にこのような作用があるのかというと、自らが生きていくため。

良い香りのする代表のお花、バラは虫媒花(虫に受粉を手伝ってもらう植物)です。(写真はWikipediaノイバラより)

命を繋ぐために虫の助けを借りて生きています。その虫を呼ぶためにバラは良い香りを出すのです。

マツやラベンダー、ティートリーなどには殺菌・抗菌効果がありますが、これらの植物は自らが菌に侵されないように殺菌・抗菌成分を持っているのです。(写真は秋のレモンティーツリー)

紫根(植物ムラサキの根)やローズマリー、フランキンセンスには抗酸化(アンチエイジング)作用がありますが、人間が老化するように植物も老化します。(写真はフランキンセンスの樹脂)

紫外線を浴びた植物は自らの身を守るために抗酸化作用のある成分を出すのです。

「よい香りがする」「抗菌作用がある」「アンチエイジング効果がある」「毒がある」は、人の基準ですが、植物にとってみればすべては長い時間をかけて獲得した、生きていくための知恵。

そんなことを思いながらお散歩すると、バラもラベンダーもトリカブトもマムシグサも「有用植物」「有毒植物」の境を超えて、すべて愛おしいなあと思います。

1月2月のKigiワークショップのお知らせ

1/13(土)、1/16(火)
wawa×Kigiコラボ  ホットアイピローとサシェづくりワークショップ

https://ameblo.jp/08kigi/entry-12336688282.html

植物の力をお借りしてからだに優しいホットアイピローと、心を整えるサシェを作るワークショップです。
小豆のホットアイピローと、モミの葉とラベンダーの2種類のサシェを作ります。 新春第一弾の今回は、「綿のいとなみ わわわのわ」さんとのコラボ企画。綿の種を蒔いて育て、収穫し、紡ぎ、染め、織り、自然の力と人の手の力を宿した布は、触るだけで暖かいものが伝わってきます。

1/21(日)、1/23(火)
よもぎバームづくり

https://ameblo.jp/08kigi/entry-12336688466.html

様々な薬効があり、ここ八ヶ岳ではいつでも私たちの足元に生えている薬草よもぎ。暮らしの中でよもぎの力をお借りして、穏やかに過ごすための講座です。暖かい季節に新鮮なよもぎをたっぷり摘んで作ったよもぎオイルに 、オーガニックシアバター 等の良質な材料を加え、携帯にも便利な よもぎバーム を作ります。

1/27(土)、2/2(金)
カレンデュラバームづくり

https://ameblo.jp/08kigi/entry-12339645876.html

無農薬 無化学肥料、自家栽培のカレンデュラの花びらの成分をマカダミアナッツオイルで抽出したオイルと、オーガニックシアバター等の良質な材料を使って万能軟膏(バーム)を作る講座です。富士見MMF→さんでの開催です。

薬草専門家 Kigi
波多野ゆふ
足元の薬草と共に在る暮らしを提案しています。

薬草は特別なものではなくいつでも私たちの足元にあり、古来の人々は感謝と共にその恩恵に預かってきました。

その人に必要な薬草はその人の足元に生えており、同じ時間と場所を共有している薬草を暮らしの中に取り入れることは、生きていくうえで大きな安心感につながると感じています。

薬用植物園勤務、ハーブ講師を経て、現在は薬草専門家Kigiとして、薬草講座や薬草観察会、足元の薬草を使ったコスメづくりや薬草を使ったお手当のワークショップを開催しています。

私たちと変わらない命を持った植物の生き方を、なるべく詳しくお伝えすることを心がけています。
Facebook