HOME CULTURE & LIFE COLUMN 第3回 みんなが苦手?きちんとお金をいただくために

こんにちは。やってみたいことに素直になった結果、週に1回ストリートダンスを踊ることになった林美代子です。挑戦は大事ですよね!それがキャラに合わなくても・・・笑

標高1400mの八ヶ岳西麓の原村の山の中では、今の季節お昼過ぎまでハルゼミが鳴いて爽やかな空気を運んでくれます。

さて、今回は好きなことを仕事にするとき、多くの人がぶつかる壁、お金をいただくことについて、お伝えしていきますね。

結果として誰もしあわせにならなかった、わたしの失敗談

独立前の猛烈社員時代は、急成長のベンチャー企業の経営企画部門で幅広い仕事をこなし、月収もかなりの安定生活でしたが・・・

まずはわたしの失敗談からお伝えしましょう。30代前半までバリバリと仕事をこなしてきたわたしは、ほしいものは手に入る安定した生活を送ってきました。が、妊娠中のトラブルにより会社を離れることになります。

長男が1歳の時に知人からの依頼がきっかけでフリーランスとして独立しましたが・・・・

当然ですが、会社員の時と違って自分で仕事をつくらないといけません。

友だちや知り合いのちょっとした会話の中からヒントをみつけては、仕事につなげていきました。

しかし。なかなか金額のことを言い出せません。高いかな・・・どうかな・・・とぐるぐる。

そこで、

最初は無料、もしくはかなり安い金額で仕事ぶりをみてもらう

というスタイルで仕事につなげていきました。

しかし。これは、消耗の連続でした。

そもそも、知り合いやお友だちの相談に乗ってお仕事というケースでは、お金を払う側がわたしの仕事に対する相場観がない場合が多く、無料もしくは格安で最初からやってしまうと

これくらいで、このレベルまでやってもらえるんだ

と認識されてしまうのです。

そして、お試しとわかっていても、一度安い価格に慣れてしまった依頼者側は、その後の値上げをなかなか受け入れられません。

一方でわたしは、ここで認めてもらって次につなげたい!という一心で、全力を尽くしてしまいました。

そうすると、依頼者側は「この値段でたったこれだけ?」とモヤモヤ。
提供者であるわたしは「こんな値段でやっているのに、全然感謝されない」とモヤモヤ。
業務を提供する側と受け取る側の意識の差が大きくなってしまって、どちらもしあわせになれない事態を招いてしまいました。

そして、わたしは独立後何年もこのパターンから抜け出せず、同じところをぐるぐるしたのです。

なぜ、お金をいただくのに抵抗があるのでしょうか

コンサルティングとは別で「好き」から派生したわたしのお仕事、占星術やヒューマンデザイン等の手法を組み合わせてお一人お一人丁寧に拝見して30ページ近くのレポートを作るもの。最初は自信なくて無料でやってました(笑)

この、誰もしあわせにならないパターン、問題の本質はどこにあるのでしょうか。

それは、提供する側が、自分のサービス(自分自身)に自信を持っていないというところです。

自信がないから、値段をつけられない、お金をいただけない
自信がないから、値段以上のことをやってしまう

誰もが最初は自信がないのは当たり前です。

しかし、最初だからお客さんの反応をみたいのであれば、一定期間で終了するはず。もし、その後もずっとこのオカネモンダイで悩んでいる場合は、自信のなさの原因は「最初だから」ではないですよね。

それは、
わたしよりも、もっともっといいサービス(商品)を出している人がいるのに、わたしなんかが、同じようなことをやっていいのだろうか

という、モヤモヤした感情が奥底にある「具体的ではない何かと比較してしまう癖」がでてくること。特に、まだまだ!これじゃいけない!という完璧主義の人に多いですね。

何にお金をいただくのか。視点を少し変えてみよう

とことん好きなことを見つけた時に残った要素のひとつは、石。石のビジネスなんて世の中にあふれかえっていましたから、踏み出すまで勇気がいりました。

さて、この自信のなさから発生するオカネモンダイ。自信を持ちなさい!と言われても、すぐには難しいですね。

では少し視点を変えて、自分は何に対してお金をいただくのか、考えてみましょう。

そもそもお金を払ってもらう対象ってなんでしょうか。

それは、作品や施術などのサービスだけでなく、自分が今まで経験してきたこと、学んできたことすべてを含めて、対象となるのです。

世の中にはすごい人はたくさんいます。でも、たとえ学んでいる最中であっても、今の自分のレベル感、自分だけの経験を求めている人も、必ずいるはずなのです。

単に、モノやサービスを求めているだけでなく、

学んできた過程や経験を知りたい人もいる。
一緒に学びたい人もいる。

そう思うと、単に「何かを売る」という発想から視野をもう少し広くもって、自分なりの何かが見つかるのではないかと思います。今目の前にいないよくわからないスゴイ何かではなく、具体的に必要としている人を、まっすぐ見つめてみましょう

必要としている人なんているの?・・・

そう思った方は、数年前の自分を想像してみてください。あの頃、こういうことをやってくれる人がいたらよかったなと。

今の自分が提供できることを精一杯やる。それを必要としている人に届ける
実は、仕事ってそれだけだったりします。

そう思えば、自信がないなんて、言っていられないと思いませんか?

適正価格とはなんなのか

特に有名ではありませんが、ブログを読んでとても共感した画家さんにオーダーメイドで家族のイメージの絵を描いてもらった絵は、我が家の宝物です。

届けたい人に届けてみようかな。と思ったら、ちゃんと自分の提供するものに値段をつけましょう。実は自分が届けたい人が定まらないと、金額って定まらないのです。

適正価格。それは自分も相手も納得ができる価格ですね。お金は、自分が費やしてきたエネルギーに対する対価ですから、とにかく自分が消耗しないように設定することが大切です。

値段をつけるためヒントをご紹介します。

  1. 原価がある場合は、絶対に赤字にしないこと(当たり前ですが)
  2. 原価には、モノだけでなく、自分が学びに費やしてきたものも含めてみること
  3. いくつか値段候補をつくり、モヤっとしたものは採用しないこと。大丈夫かな・・の不安とは違って、心の奥からでてくるものです
  4. 最後に、似たようなサービスが世の中にあるようであれば、一番スタンスが似ているところの金額と比較し、調整する
  5. 最初だけ安くする場合は、目的と期間を定める

特に、③のモヤっとする は実は大切な判断ポイントです。安くしすぎないよう注意しましょう。
安い金額で伝える=今まで費やしてきたエネルギーを否定する ですから、やってしまったときに、一番傷つくのは自分自身なのです。

自分が心の奥から納得できる値段を、思い切って伝えましょう。

いかがでしたでしょうか。

次回は、自分ができることをしっかりと伝えていく「発信」についてお伝えする予定です。お楽しみに!

☆☆おまけ☆☆

本連載特別企画。タロット数秘でそれぞれのモヤモヤ癖について、簡単にアドバイス作ってみました。こちらからご覧くださいね

林美代子(はやし・みよこ)
太陽は博愛の水瓶、月は職人の蠍で宿曜占星術は猪突猛進の箕宿。ヒューマンデザインはとことん受け身で吉、のプロジェクター。
キーワードは、「元猛烈社員」「元スピリチュアル・ジプシー」「ヴィーガン」「丁寧な子育て、暮らし」。

5年で30人から1000人規模へ成長を遂げたベンチャー企業にてシステム担当から広報、IR、経営企画、上場準備と幅広い分野をがっつり経験した事務系ジェネラリスト。出産を機に独立。2014年に八ヶ岳の西麓・原村に移住し、自然の中で丁寧な子育てを実践中。
一方で猛烈社員時代に迷走した経験から、「自分を深く知る」ことで軽やかに生きるためのサポートを様々な分野で行っている。
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