HOME CULTURE & LIFE COLUMN 八ヶ岳の本5冊目:八ヶ岳と活火山、木暮理太郎に会う

みなさん、こんにちは。ヤツガタケシゴトニン ライターのまちだです。

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今日は火山と活断層の話です。大昔、八ヶ岳が火山だったことはよく知られています。ただ、八ヶ岳といっても、どの山を指しているのか、いつ頃まで噴火していたのかなど、わからないことが多くあります。

そこで今回は『活火山 活断層 赤色立体図でみる日本の凸凹』(技術評論社)を元に、八ヶ岳の火山事情を調べてみたいと思います。

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まだまだ現役だぞ!横岳

八ヶ岳の中でも活火山に指定されているのは横岳のみです。意外にも活火山として登録されたのは最近のようです。

近年の地質調査により、最近の活動が約800~600年ほど前であることがわかり、2003年に活火山に追加されました。

気象庁にも同内容の記録が載っています。

気象庁 全国の活火山の活動履歴等
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/334_Yokodake/334_index.html

東急リゾートタウン蓼科さんのサイトにも八ヶ岳の火山について詳しく書かれています。興味がある方はコチラもご覧ください。

木暮理太郎が書く八ヶ岳

八ヶ岳の火山や登山の歴史を調べていると青空文庫に明治初期の登山家 木暮理太郎が記した八ヶ岳に関する文章に出会いました。
野辺山から八ヶ岳を撮った写真が何とも良い雰囲気です。文章も美しい。

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私は、裾野に於ける高原の秋色が忘れられない。八ヶ岳の裾野のように黄蓮華、躑躅つつじが原を彩り、藤の房が垂れ、鈴蘭が匂い、桜草が咲き、鶯が囀り、郭公かっこうが鳴いている晩春の風情も情緒ゆたかなものであるが、高く澄み透った空にふさわしい、今年の最後を飾る寂しくも華やかである高原の色どりに、限りなき感興を覚えるのである。(青空文庫:http://www.aozora.gr.jp/cards/001373/files/56546_56501.html

この木暮理太郎さんは日本の登山家の草分け的存在のようです。日本山岳会の三代目会長でもあります。

木暮 理太郎(こぐれ りたろう、1873年12月7日 – 1944年5月7日)は、日本の登山家。
群馬県新田郡強戸村大字寺井(現・太田市)生まれ。東京帝国大学文学部哲学科中退。田部重治と共に、詳しい地図がまだ作成されていない探検時代の日本アルプスや秩父山地に入り、これらの山々の魅力を世に紹介した。単に山に登るだけでなく、山岳展望や登山史の研究、地名の考証にも大きな熱意を示し、人文的な「山岳研究」というべき分野を開拓したパイオニアの一人である。著書『山の憶い出』は日本の山岳書中でも内容の濃い傑作とされる。(wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/木暮理太郎

火山?登山?八ヶ岳へGO!

これからの季節、春には書き表しようのない清々しさがあります。八ヶ岳が火山活動していた太古の様子を想像するもよし、木暮理太郎さんも惚れた山々を巡るのも良いでしょう。
もちろん横岳は活火山とは言っても常時監視されているわけではないので早々噴火することはない(はず)です。みなさん安心して遊びに来てくださいね!

ライター・校正
まちだ ゆうき
1981年群馬県高崎市生まれ。タワーレコード渋谷店勤務を経て、2010年より長野県富士見町に移住。農業経営と並行して、2014年よりライター・校正として活動を再開。2016年より再び東京に転居して校正・編集に専念する。ヤツガタケノートなど八ヶ岳に関わる記事や農業関連のWEBサイト、また商品販促用のキャッチコピーなど文字に関わることを幅広く手がける。
個人活動としては農業専門サイト「つちとて」を運営(休止中)。合気道初段(絶賛修行中)でもある。
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