HOME CULTURE & LIFE COLUMN 連載4 木陰で読む、ヨガのそもそも論。その1
“YOGA FLOW” 主宰のじゅんじゅんこと、久村潤子です。 八ヶ岳でのくらしにタイミングを合わせたアーサナ(ヨガのポーズ)をご案内します。

こんにちは。長野県も梅雨明けしましたね。

いよいよ短くも濃い、八ヶ岳の夏が到来です!映画祭やマルシェ、朝市、花火、、、、。いろんなイベントが本当に盛りだくさん。待ってましたとばかりに、いそいそと浮き足立ってしまう季節です。働き蜂の様にブンブンと、あっちのマルシェ、こっちのナイトイベントと、慌ただしく飛び回る季節ではないでしょうか。かく言う私も例外ではありません。アワアワしてます。

そこで!今回はまず、腰を落ち着けて。涼しい木陰にでも入って。のんびりと読んでいただく内容にしました。いつものアーサナもひとまず置いて。

知っているようで知らない、ヨガのそもそも論にアプローチしてみましょう。

「で、そもそもヨガって?」

そうです。
なんなの?ヨガって。
いつ誰が始めたの?
ストレッチとの違いは?

紐解くと面白い、何気に縄文文化と繋がる気配?私見も大いに含めたヨガ論、超ざっくりとですが、早速始めてみましょう。ささ、まずはナイスな木陰に入って。。。ナイスな飲み物も用意しましょう。

ヨガの歴史

インダス文明(BC約2500年?)の頃作成と思われる、ヨガのポーズを行う行者を刻んだ石が見つかっています。「ヨガ」という言葉が出てくる最も古い書物は、約BC800年の「タイッティリーヤ・ウパニシャッド」と云われています。インドの哲学の1つ、ウパニシャッド哲学の文献でもあり、この哲学の主な思想は以下の通り。

「1なる絶対的実在、または意識、即ちブラフマン(brahman)が全宇宙の根底にある」

この1なる絶対的実在とは?、、、、

く~~~~っ!!ぐっときます。 ←あら、私だけ?
これを語るにはここでは到底足りないので、いつか皆さんと語り合いたいものです。

ヨガとは?

その質問にズバリ答えている重要な文献を紹介いたします。

ヨガを続けていると、いつかどこかで巡り会う1冊。その名は「ヨーガ・スートラ」。

約BC600年。つまり今から約2,000年以上も前に賢者パタンジャリが編纂したこの文献は、最も有名なヨガの経典の1つです。私も繰り返し読んでいるこの「ヨーガ・スートラ」には、なんと、冒頭にその答えが用意されているのです。もったいぶらないところが潔い!かっこいい!!

で、ヨガとは?(、、、、ゴクリ。)

答え

『ヨーガとは、心のはたらきを止滅することである』(”Yogas chitta vritti nirodhah”)。

はいここ重要~!

「死滅」ではないのですね。「止滅」するのですよ。

そうなのです。
無情、非情になれ、というのではないのです。むしろ逆です。

「心」とは「感情(ハート)」ではなく、「思考(マインド)」のことを指しているのです。パタンジャリは、「幸福な者に対しては(妬みのない)友情(すなわち慈)を、苦しんでいる者に対しては哀憐(すなわち悲)を、善行者に対しては喜び(すなわち喜)を、悪行者に対しては(怒りのない中立の心である)無関心(すなわち捨)を。これを修習することによって、(ヨーガ行者の)心は静澄になる。」とも説いています。

ヨガとは、静かな(穏やかな)心を保つこと」なのです。

そうであったか~~~~。ふ~む。

つまり、ヨガのポーズを取るだけでは、片手落ちなのです。ポーズを取っているだけでは、ヨギー(ヨガを行う者)ではないのです!その先にある、「心の安寧や、本当の自分自身との対話」を目指す者こそが、真の意味でのヨギーなのです。

もっと言うと、ヨガのポーズを練習してなくても、自分が心地よい穏やかな状態にいられる何かを知っている者、そこを目指す者は全て、ヨギーなのではないでしょうか。お料理、農業、絵画、音楽、登山、サーフィン、陶芸、手芸、、、。「自分を心から穏やかでハッピーな状況に置けるもの。それらは全てヨガである。」そうも言えるのではないでしょうか。言っちゃっていいっすか?いいですね?うむ。

ただ、この地球でいろいろな事を経験し、穏やかに、ハッピーに生きていく為には、自分の魂の大事な乗り物である「身体」を慈しみ、整える。これは誰にとっても重要ですね。アーサナはその絶大なる手助けをしてくれるでしょう。

次号「その2.」に続く。
引き続き木陰でのリラックスタイムをお楽しみ下さい☆

参考文献

YOGA MALA /シュリ・K・パタビジョイス(著)
カタ・ウパニシャッド
インテグラル・ヨーガ (パタンジャリのヨーガ・スートラ) /スワミ・サッチダーナンダ (著)
YOGA YOMU vol.52

YOGA FLOW主宰、ヨガ講師
久村潤子
‘03より都内でアシュタンガヨガ、ハタヨガの修練を始める。ヨガクラス”YOGA FLOW” を開催。誰でも無理なく楽しめるヨガを紹介する。子連れヨガをはじめ、託児付きヨガ、出張クラス、また3.11をきっかけに東日本、熊本・大分の震災復興チャリティーヨガも不定期に行う。あらゆる世代の人がヨガを通してお互いに繋がりあえることを模索中。’16年春、茅野市に家族で移住。大分県出身。
mail: hisamura1173@gmail.com
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